Match Day Information

26.09.04

MDI 2026/27 WEリーグ 第3節 vs 日テレ・東京ヴェルディベレーザ

INTERVIEW
三菱重工浦和レッズレディース
FW 19 サンシャイン フォンテス


ピッチでは繊細なボールタッチとパワフルなキックで観る者を魅了し、ピッチを離れれば明るい笑顔で周囲を照らすサンシャイン フォンテス。浦和で2シーズン目を迎えた“サニー”は、新たに1トップという役割にも挑戦しながら、自分らしいプレーを追求している。サッカーで何よりも大切にしてきた「楽しむ」という思い、仲間への深い気遣いの原点、そして「サッカー選手である前に、一人の人間として大切にしていること」とは。ハワイからアメリカ本土、そして浦和へと歩んできたフォンテスが、自身の現在地と胸に秘めた価値観を語る。

(取材・構成/田中直希)

 


「楽しむこと」が自分をここまで連れてきてくれた


――チームメイトからは、「最初はシャイな印象だった」という声も聞きました。ご自身ではどんな性格だと思っていますか。


「たしかに、最初はかなりシャイだと思います。このチームに来たときも、あまり多くの人と話していませんでした。でも、相手との関係ができて、居心地の良さを感じられるようになると、だんだん自分を出せるようになります。


 そうなったら、もう話すのが止まらないです(笑)。冗談もたくさん言います。最初は若葉(後藤若葉)と話すくらいで、次に芽依(島田芽依)が加わって…そこから少しずつ話せる人が増えていきました。仲良くなればなるほど、よく笑うし、冗談も言う。それが本来の私だと思います」


――特に後藤選手とは仲が良いですよね。サニー選手にとってどんな存在ですか。


「私を最初にチームへ迎え入れてくれた選手の一人です。練習生のときから一番よく話し掛けてくれて、できる限り私を助けようとしてくれました。英語も上手なので、それもすごく助かりました。


実は私たちはU-17代表のときに対戦したことがあるんです。トライアルのときにその話になって、そこからさらに距離が縮まりました。今では、親友の一人です」


――伊藤美紀選手も、トライアル中にサニー選手のプレーを見て、翻訳アプリなどを使いながら「自信をもって自分のプレーを出して」というようなメッセージを送ったそうですね。


「とてもうれしかったです。美紀がどれだけ素晴らしい選手で、このチームにとってどれだけ重要な存在なのかは分かっていました。そんな選手が自分のプレーを評価してくれたことで、大きな自信になりました。特にトライアルのときは自信があまりなかったので、美紀の言葉にはすごく助けられました。現在は、ピッチの中でもその関係性が深まっていると思います」


――日本という新しい環境でプレーしてきて、昨シーズンから成長を感じる部分はありますか。


「まだ現在進行形だと思っています。昨シーズンは後半になるにつれて試合に出る機会が増えました。まだ改善しなければいけないことはありますけど、成長できた部分もあります。特に守備については、すごく成長したと思っています。


どんな環境でも大切にしているのは、自分らしくいることです。そして私にとって、サッカーでは『楽しむこと』が一番大切です。楽しめないのであれば、サッカーをする意味がないと思っています。喜びを感じながらサッカーを楽しんできたからこそ、私はここまで来ることができました。それを大切にできれば、どんな状況でも大丈夫だと思っています」

 

 

繊細さとパワー。新たな「9番」への挑戦


――サニー選手のプレーには、柔らかく繊細なボールタッチとパワフルなキックという二つの特長があります。どのように身につけてきたのでしょうか。


「タッチについては、コーチの影響が大きいです。毎回トレーニングを始める前に、足で500回、太ももで500回、さらにどこを使ってもいいので1,000回、リフティングをしていました。それが終わってから、ボレーやいろいろなキックの技術を練習しました。『足のここに当てれば、ボールはこう飛んでいく』というところまで細かく教えてもらったので、今の自分の技術につながっていると思います。


パワーについては……アメリカらしさですかね(笑)。アメリカでは強さやパワーを出すことが一つのスタイルだと思います。ただ、日本に来てからは、その部分をまだ十分に出せていないとも感じています。もっと自分のパワーを生かしていきたいです」


――両足でセットプレーを蹴れることも大きな武器です。


「実は大学時代、左足でセットプレーを蹴ることはほとんどありませんでした。基本的には右足でした。浦和に来てから左足で蹴る機会が増えて、昨シーズンから今シーズンにかけて練習してきたので、少しずつ良くなっていると思います」


――今シーズンは1トップでプレーしています。これまでにも経験はあったのでしょうか。


「U-17アメリカ女子代表でプレーしていたときに経験があります。ただ、かなり前なので、今は動き方やポジショニングをあらためて学んでいるところです。


昨シーズンはシャドーとして守備のポジショニングなどを学びましたけど、1トップになれば役割も少し変わります。自分にとっては、新しいポジションを学んでいるような感覚ですね」


――2列目には個性的な選手がそろっています。周囲との連係についてはどう考えていますか。


「一緒にプレーする選手それぞれの特徴を、今も学び続けています。例えば琴乃(榊原琴乃)はとてもトリッキーな選手なので、いつ、どんなタイミングでパスやクロスが来るのかを理解して、自分の動きを合わせていかなければいけません。

 

中盤の選手たちとはかなり良い関係を作れていると思います。一方で、私はボールを受けようとして下がり過ぎてしまうことがあります。9番としては、ボールに触れなくても高い位置に残らなければいけない場面もあって、それは今までとは違う役割なので、意識して学んでいるところです」


――その中で、今季さらに出していきたい自分の特長はありますか、


「もっとシュートを打ちたいです。そして、ただ蹴るのではなく、しっかり狙ったところへ飛ばしてゴールにつなげたいですね。昨シーズンは、自分が望んでいたほどシュートを打てませんでした。今シーズンの開幕戦では4、5本くらい打てたと思うので、それを続けていきたいです。そして、ゴールを決めたいです」

 

 

「第二の家族」と一緒にタイトルを


――浦和で2シーズン目を迎えました。今シーズン、チームとして成し遂げたいことはありますか。


「もちろんタイトルを獲ることです。昨シーズンはあと一歩のところで届きませんでした。あのときに自分たちがどんな気持ちになったのかを知っていますし、もう同じ思いはしたくありません。チームのみんなも同じだと思います。


個人としては、どんな形でもチームに貢献したいです。ゴールかもしれないし、アシストかもしれない。シーズンを通して自分に求められる役割は変わっていくと思いますけど、チームから与えられた役割を最大限に果たしたいと思っています」


――1トップとしては、やはりゴールを求められていると感じますか。


「一番はゴールだと思います。開幕戦では普段より多くシュートを打てたことは良かったですけど、決め切ることができませんでした。ゴール前でもっと決定的な仕事をしなければいけないと思っています。


試合によって高い位置にいるのか、下がってプレーするのか、求められることは変わると思います。今後またシャドーでプレーする可能性もあるかもしれません。だから、どのポジションであっても、自分に与えられた役割をできる限り高いレベルで果たすことが一番大切です」


――サニー選手から見て、浦和はどんなチームですか。


「ピッチの外では、本当に家族のようなチームです。今ではたくさんの選手と仲良くなりましたし、私にとっては故郷を離れた場所にいる『第二の家族』のような存在です。ピッチでは、技術の高い選手が多くて、美しいサッカーをしようとするチームだと思います。たくさんゴールを取ろうとしますし、見ていてワクワクするサッカーだと思います。


でも、私たちはそれだけではなくて、ファイターでもあります。ハードワークする選手がいて、激しいタックルにも行く。何が起こるか分からないところが、このチームのおもしろさだと思います。毎試合、いろいろな選手から違ったものが出てくる。それが今シーズンの成功につながっていくと思っています」


――「家族のようなチームだ」と特に感じた瞬間はありますか。


「一つだけを選ぶのは難しいですね。特別な一瞬というより、いろいろなところで感じています。


ウォーミングアップでみんなで笑っているときもそうですし、苦しい出来事があったときにみんなで支え合ったこともそうです。昨シーズン、悔しい結果になったときもみんなでその気持ちを共有して、『今シーズンこそタイトルのために戦おう』と思いました。


良いときも悪いときも、お互いのためにそこにいる。自分の右と左にいる仲間が、チームのためにできることをすべてやってくれると信頼できる。それが、私にとって『家族』ということだと思います」

 


サッカーより長く、人の心に残るもの
 


――ハワイのサッカーについても聞かせてください。サニー選手が育った頃と比べて変化を感じますか。


「すごく成長していると思います。特にここ5年くらいで、(アメリカ本土の)大学へ進んでサッカーをする選手が以前よりずっと増えましたし、今では男女ともにハワイ出身のプロ選手がたくさんいます。以前はそれほど多くありませんでした。ハワイは50番目の州であり、小さな場所なので、その地でサッカーが成長していることはすごくうれしいです。私自身もそこで育って、今こうしてプロとしてプレーできているので、誇りに思います」


――好きなサッカー選手やプレースタイルは?


「一番好きな選手は、ずっとメッシです。視野やパスという部分ではケビン・デブライネも好きですね。


私はあまりダイレクトなサッカーが好きではなくて、ボールを保持しながら相手を崩して、相手の周りや間を通っていくようなサッカーを見るのが好きです。もちろん相手によって戦い方を変えなければいけないですし、毎試合同じやり方ではうまくいきません。でも、基本的にはそういうサッカーが好きです」


――日本に来て、抹茶ラテ巡りもしていたそうですね。


「どうして抹茶を好きになったのかは、あまり覚えていないんです(笑)。たしかロサンゼルスのスターバックスで飲んで、『おいしい!』と思ったのが始まりだったと思います。それから、いろいろなカフェで抹茶を探すようになりました。日本に来て最初の半年くらいも、いろいろな抹茶ラテを飲みに行きました。日本のスターバックスの抹茶は、アメリカよりずっとおいしいです(笑)」


――最後に、チームメイトから「周囲のことをよく見ていて、すごく気遣いのできる人」と聞きました。その考えはどこから来ているのでしょうか。


「両親から教わったことが大きいと思います。アメリカには『自分がしてほしいように、相手にも接する』という“ゴールデンルール”があります。私はそれを両親から教わって育ちました。それに、私はサッカーやケガを通して、たくさんの苦しい経験をしてきました。その中で学んだのは、良い人であることや、その人の人間性は、サッカーよりもずっと長く人の心に残るということです。


私がゴールを決めたことや、ピッチでどれだけ良いプレーをしたかよりも、一人の人間として誰かにどう接したかのほうが、その人の記憶には長く残ると思っています。だから私にとっては、良いサッカー選手であること以上に、良い人であることが大切です。誰かのそばにいて、必要なときには支えられる人でいたい。それが、人生で大切にしていることです」
 

 

MatchPreview

チームメイトが語る、サンシャイン フォンテス 〜 Who is Sunny 〜

 

 

 

DF 4 後藤 若葉

「チーム全員のことを気にかけてくれる人」

 

「サニーは、本当に日本人のような心を持っています。周りのことをよく見ていて、ふとしたときに気づいてくれたり、気遣ってくれたりするんです。

 

例えば、ほかの選手が少し落ち込んでいそうなとき、私に『あの子は大丈夫?』と聞いてくることがあります。仲の良い選手だけではなく、チーム全員のことをすごく気にかけているんですよね。自分ではシャイだと言っていますけど、そういう人間性をみんなも分かっているからこそ、これだけ愛される選手になったんだと思います。

 

そして、すごく明るいです。周りからいじられたときの返しもおもしろいですし、チームに元気がないときには明るさをもたらしてくれる。そういう存在がいてくれることは、本当にありがたいです。

 

普段は基本的に英語で話しています。分からない英語があるとサニーが簡単な英語に言い換えてくれたり、発音やイントネーションまで教えてくれたりするんです。その代わりに、私は簡単な日本語を教えています。

 

サニー自身も、日本語をすごく学ぼうとしています。以前、トレーニングマッチを一緒に見ていたとき、スタッフが日本人選手に日本語で指示を出しているのを聞いて、『今、何て言ったの?』と聞いてきました。それ以外にもよく質問してきます。日本語が分からないことへのストレスもあると思いますけど、それでも自分から理解しようとしている。チームに馴染もうと努力していることが伝わってきます。

 

選手としては、あれだけパンチ力のあるシュートを持っているのに、ボールタッチがものすごく繊細です。このチームで一番なんじゃないかと思うくらいで、見ていて本当にワクワクします。

 

今はチームのやり方を理解しながらプレーしている部分もあると思いますけど、もっとサニーらしさを出せるようになれば、さらに良さが生きてくると思います。練習では『こんなプレーもできるんだ』と思わせてくれる場面がたくさんあるので、それが試合でもどんどん出てくるのを楽しみにしています」

 



MF 5 伊藤 美紀


「みんなを明るく、元気にしてくれる存在」

 

「サニーは、すごく温かい人です。明るくて、一緒にいるといつも元気をもらえますし、周りのことを本当によく見ています。

 

以前、キャンプでユースの選手たちと話したときに、サニーがこのチームのことを『家族のような存在』だと話していたんです。それを聞いて、すごくうれしかったです。そう思ってくれているからこそ、一人ひとりを大切にしているんだろうなと思います。

 

サニーがいることでみんなが明るくなったり、笑わせてもらったり、元気にしてもらったりする。チーム全員がサニーの明るさに救われている部分がたくさんあると思います。

 

ちょっと抜けているところもあって、『え、サニー!?』ってなることもあります(笑)。でも、そういうときの返しもおもしろいんです。お互いに『ファニーだね』ってよく言い合っています(笑)。

 

プレーヤーとしては、最初はフィジカルを生かすタイプなのかなと思っていました。でも、一緒にプレーしてみるとタッチがすごく繊細ですし、アイディアがたくさんある選手でした。

 

一緒にプレーする時間が長くなるにつれて、『ここはたぶんボールを浮かせてくるな』とか、『こういうプレーをするんじゃないかな』ということが分かってきて、それがすごく楽しいです。言葉では試合中にすべてを伝えきれなくても、プレーしたあとに『今のはこういうことだったよね』と感覚で分かり合えることがあります。

 

そして、キックは大きな武器ですね。両足で蹴れますし、練習では左足のフリーキックを決めることもあります。トレーニングやトレーニングマッチでもすごいプレーをたくさん見せているので、ぜひ試合でも注目してほしいです。

 

プライベートで、『今度ここに行こう』『これを食べに行こう』という話をすると、すぐに『いつ? いつ?』って聞いてきます(笑)。私は予定を直前に決めるタイプなんですけど、サニーのおかげで前もって予定を入れることが増えました。

 

その日を楽しみにしながら頑張れますし、日にちが近づくと『もうすぐだね』『楽しみだね』って話します。そういうところもおもしろいですね。結構グイグイ来ます(笑)」

 



通訳 平木 里花
 

「名前のとおり、みんなを照らす“太陽”のような人」

 

「私の場合は少し特殊で、アメリカにいたころからサニーのことを知っていました。大学時代のプレーも実際に見に行ったことがあったので、浦和に『サンシャインという選手が来ている』と聞いたときに、すぐ『あの選手だ』と分かりました。遠い存在だった選手が、一気に身近になったような特別な感覚がありました。

 

当時は『サッカーがすごくうまい選手』という印象でしたけど、実際に会ってみると、ずっとニコニコしているんです。本当に名前のとおり、太陽のような存在ですね。少し静かな雰囲気のところにサニーが入ってくるだけで会話が弾んで、みんなが笑顔になります。

 

加入当初は、買い物や銀行口座を作るときなど、日本での日常生活をサポートすることもありました。そうやって近くで接していて感じるのは、すごく周りに気を遣える人だということです。

 

アメリカ人らしい明るさがあって、急に踊り出したり、歌い出したりもします(笑)。でも、その一方ですごく謙虚で、周囲への気遣いもできる。両方の良さを持っているんです。最初は明るくてノリの良い印象が強かったからこそ、そういう部分を知って、よりすごい人だと思うようになりました。

 

選手としても、本当に特別だと思います。アメリカでも注目されていた選手ですし、日本に来てから普段の練習を近くで見ていると、細かいところでも『やっぱりすごいな』と感じます。

 

私自身も選手として練習に参加させてもらうことがあるんですけど、そのときにはサニーが英語で『こうしたらいいんじゃない?』とアドバイスをしてくれたり、良かったプレーを褒めてくれたりします。これだけの選手から褒めてもらえると、自分にとっても大きな自信になります。

 

意外なのは、実はものすごくいろいろなことを考えているところです。普段は楽しそうで楽観的に見えるかもしれません。でも二人で話したり、相談を受けたりすると、小さなことから大きなことまで、本当に真面目に考えていることが分かります。

 

HPに掲載するアンケートなどにも、本当にたくさん書くんですよ(笑)。本人にとってはそれが普通みたいで、逆にほかの選手の回答が短いことに驚いていました(笑)。そういうところにも真面目な性格が表れているのかなと思います。

 

最初は、素直ですごく良い子だなという印象でした。でも2シーズン目になって、サニーのことをもっと知るようになり、本当にたくさんの魅力を持っている人なんだと感じています。選手としても、人としても、本当に素敵な人です」

試合情報

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