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Players’ Column/「打ったら、入りました」——川船暁海が語る、ゴールと日々の積み重ね

大枠では試合を優勢に進めながらも、1−1のスコアで迎えた72分だった。
レッズレディースの左サイド、相手陣内でのスローインを長尾ののかがペナルティーエリア内へ深く入れる。
そこには、相手DFを背負って待ち構える川船暁海がいた。
高くあがったボールの落下点近くに行き、おさめると、そのままゴール方向にターン。相手DFに身体を預けながら、迷いのない動きで右足を振り抜いた。
ゴールニアサイド上部に放った強烈なシュートは、相手GKの手をはじき、ネットを揺らした。勝利をたぐり寄せるストライカーらしい豪快なゴール。
待ち望んだゴールにスタジアムからは大きな歓声が沸き起こった。
「何も考えずに打ちました」
川船に試合後、ゴールの感触を聞く。
「あんまり覚えていないんですけど...」というコメントから始まる。
「何回かスローインで背負えていたから、ターンできるかなと思って。エリア内だし、中に行こうかなと思ったら、結構良い感じに中を向けて。そしたらゴールが見えたから、打ったら入りました」
そういって照れたような笑顔を見せた。
ピッチ上で見せる豪快なゴールや力強いプレーの印象とは違い、川船はピッチ外になると、とたんに柔和な姿を見せる。
ーーニア上は狙った?
「狙っていないです、何も考えずに打ちました」
きっぱりとそう言い切るところも、川船の魅力だろう。

無意識のゴールは、積み重ねの証だった

だが、本当に何も考えていないかというとそうではない。
ピッチ上で、無心で打てるほどに、日々の練習を積み重ねているからだ。
事実彼女は、日々全体練習が終わると、ブリッジコーチである関浩二とともに、エキストラメニューに取り組んでいる。
関は、現役時代、FWとして多くの得点を重ねたプレーヤーだった。そのFWのエッセンスを注入してもらっているのだ。
川船は言う。
「関さんには、ストライカーの極意を教えてもらっていて、いろいろやっています。クロスの入り方、ポストプレー、それとシュートの極意とか」
「ゴールシーンも練習でやってきたことが無意識でできた部分かなと思っています。回数をこなすことで自然とできたのかなって」
そして続けた。
「今日点を取ったときに、関さんがめちゃくちゃ喜んでくれて、それがうれしかったです」

「途中出場でも、結果を出せばいい」
この試合だけではなく、川船は先発でも途中出場でも、そのときに応じた状況で、しっかりと特徴を表現しているように感じる。
そのことについて聞くと、川船は次のように答えた。
「あんまり多くのことができるタイプではないから、自分の特徴を出すことは常に考えています」
もちろん、先発から出場したい気持ちもある。このクラシエカップでは、序盤の2試合を先発し、その後は途中出場での起用となったが、それも前向きに捉えているようだ。
「スタートで出たいという気持ちはもちろんあります。でも、途中出場でも結果を出せばいいと思っていて。カップ戦だし、いいチャレンジができたと思います」
その言葉は、飾り気がなく、力強かった。
素顔の川船暁海——「安心、安心!」

次戦からは、ふたたびWEリーグに戦いの舞台が戻る。現在、3連勝中でチームは首位を走っている。アジアへの挑戦に向け、チームとして最も重視している大会だ。
川船は気を引き締める。
「まだ3試合しか終わっていないし、全然わからないと思います。もう一度気を引き締めてやっていきたいと思います」
大枠の取材を終え、最後にもう一度、彼女にこの日のゴール後の気持ちについて聞く。その回答がまた彼女らしかった。
ーー最後にあらためてゴール直後の気持ちを教えてください。すごく気持ちの良いゴールだったのでは?
「…びっくりしました 笑」
ーースタジアムの歓声もすごかったし、サポートしてくれている人たちもとても喜んでくれたと思います。
「良かったです!安心、安心!」
そう言うと、本当に安堵したかのような微笑ましい姿を見せ、彼女はミックスゾーンを後にした。
(文・写真/URL:OM)


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