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26.07.24

Future Diamonds 特別編 トップ選手が語る「浦和レッズへの思いと、サッカー人生で大切にしてきたこと」――育成選手向けトークセッションレポート

キャンプ6日目の夜、三菱重工浦和レッズレディースのトップチームに所属する3名の選手が育成選手たちの前に集まり、自らのサッカー人生を率直に語るトークセッションが開催されました。登壇したのは高橋はな選手、伊藤美紀選手、そしてサンシャイン フォンテス選手(以下、サニー選手)。

 

ファシリテーターは工藤輝央スポーツダイレクターが務めました。浦和レッズへの思い、大切にしてきた価値観、挫折の経験、そして育成世代へのメッセージ――隠すことなく、オープンに話をしてくれた3選手の言葉、それをしっかりと受け止めた育成選手たちによって、互いの絆が深まる素晴らしい時間となりました。

 

「責任を果たす場所」「熱量のあるクラブ」「家族のような存在」――それぞれが語る浦和レッズ

 

セッションはまず自己紹介から始まりました。

 

高橋はな選手:「2000年2月19日生まれ、26歳。2歳上の兄の影響でサッカーを始め、小学6年生のときにジュニアユースのセレクションを受けて加入しました。以来、約14年間にわたって浦和のエンブレムを背負い続けています」

 

伊藤美紀選手:「1995年9月10日生まれ、30歳。3歳上の兄の影響でサッカーを始め、仙台の常盤木学園を卒業後、INAC神戸レオネッサでプレーしました。その後「もっと上手くなりたい」という思いから三菱重工浦和レッズレディースへ移籍しました」

 

サニー選手:「2001年2月25日生まれ。姉の影響でサッカーを始め、ハワイでクラブチームに所属したのち、UCLAに6年間通学。その後、レッズレディースに加入しました」

 

自己紹介に続き、工藤スポーツダイレクターが「浦和レッズというクラブが、それぞれにとってどういうものか」を問いかけました。

 

高橋選手:「入るまでは"よく聞く浦和レッズ"という感覚でしたが、入って指導者の方々や先輩、サポーターのみなさんを見て、普通のクラブではないと学びました。エンブレムを付けるありがたみや誇り、責任というものを徐々に教えてもらい、今の私にとってこのクラブは、かっこよく言うと"責任を果たす場所"かな、と思っています」

 

伊藤選手:「私が加入した年にACLのプレ大会が始まり、男子トップチームがACLで優勝するなど、アジアや世界を目指すという熱量がありました。それまでの経験ではそういう雰囲気を感じたことがなかったので、ファン・サポーターも含めてサッカーに対する熱い思いがあるチームだと強く感じました」

 

サニー選手:「これが初めてのプロ契約なのでほかのクラブと比べることはできませんが、UCLAと比べても、このチームはとても家族のような存在です。言葉の壁があっても選手たちと繋がれていますし、浦和のエンブレムを背負って戦えることは、家族のために戦うという思いを持ちながら常に努力しています」

 

「感謝を忘れない」「苦手なことができるまで練習する」「サッカーが楽しいと思えること」――何を大切にしてきたか

 

次のテーマは、それぞれがサッカー人生の中で大切にしてきたことについてです。

 

高橋選手:「常々大切にしているのは、感謝の気持ちを忘れないことです。ユニフォームやスパイク、良いグラウンドや道具が揃っている環境は決して当たり前ではない。たくさんの方々のおかげで今の自分がサッカーをできていると、常に感じています。この気持ちはもともと両親に教えてもらっていましたが、ジュニアユース時代の指導者の方々からも、より強く教えてもらいました」

 

伊藤選手:「感謝の気持ちはもちろんですが、サッカーの面ではできないことがあるのがとにかく嫌で、できるまで練習し続けることを大事にしてきました。私は体が小さいですが、大きい人のマネをするのではなく、小さいなりにどうやったらできるかを常に考えてきました。またI神戸で、当時なでしこジャパンで優勝したメンバーがいる中で若手として入り、先輩の姿を見て学んできました。澤穂希さんに『私にはできなくて、ミキにしかできないものがある』と言ってもらったことがとても嬉しくて、自分の良さを伸ばし続けることの大切さを学びました。その経験から、下の選手たちにも同じように伝えていきたいと思っています」

 

サニー選手「サッカーをするうえでずっと大切にしてきたのは、プレーしているときに喜びを持つことです。楽しくないならなぜやるのか、というのが私の考えです。練習中も試合中も笑顔でいるのは、心から楽しんでいるから。もう一つは、チャンスを得たときに常に感謝を持つことです。私は膝の前十字を2回断裂していて、サッカーができない時期を経験したからこそ、常に楽しみながら、チャンスがあるときは全力で挑むということを考えて、プレーできる機会を本当に大切にするように取り組んでいます」

 

 

 

「唯一のプロ未契約」「手術後の孤独感」「スーパーポジティブな はなの秘密」――3者3様の挫折

 

工藤スポーツダイレクターが「挫折」をテーマに問いかけると、各選手が率直な経験を語ってくれました。特にサニー選手は、当時の状況を思い出し、涙を流し、言葉を詰まらせながらも思いを伝えてくれました。

 

サニー選手:「キャリアで一番つらかったのは、ケガをしたときです。1回目の前十字からの回復に2年かかり、ちょうどコロナ禍でリスタートを余儀なくされました。そして2回目は、2022年に大学で全国優勝した直後。大学で優勝できて、その仲間たちともう1年一緒にプレーをしたくて大学チームに残ったのですが、それまでチームのゴール数・アシスト数でトップだったのに、ケガの影響で同期の中で自分だけプロ契約を得ることができなかったんです。そのときが本当にメンタル的に厳しかったです」

 

伊藤選手:「私は半月板の手術が一番大きなケガでした。ボールを蹴れない、触れないことの喪失感が本当につらかった。でも、自分に起きることは絶対に無駄じゃない、何か意味があると考えて、ケガする前より体を作り直すことに取り組みました。I神戸入団から最初は全然試合に出られず、出始めても途中から出られなくなるという時期がずっと続いていました。チームメートや家族の支えで1人じゃないと改めて感じ、また復帰後もより上のレベルを目指して努力し続けました」

 

高橋選手:「私は正直、挫折という挫折はあまり感じたことがないんです。なぜかというと、落ち込まないマインドの持ち方を知っているからです。大前提として、自分は技術も高くないし、フィジカルも世界基準では大したことない、スピードもチームで一番じゃない。だったらやることはたくさんある、とポジティブに変換できるんです。もちろんミスで失点したときなど、その都度の感情はあります。でも26年間の経験を繰り返す中で、落ち込んでいてもあまり意味がないと思うようになりました」

 

 

 

「今やれることに集中」「みんなの表情を観察する」「試合前は遅めの曲を聴く」――それぞれのルーティンとマインドセット

 

工藤スポーツダイレクターから「自分のマインドをリセットする方法や、ルーティンはあるか」という問いが投げかけられました。

 

高橋選手:「これといったルーティンはないですが、うまくいっているときに調子に乗ってしまうタイプで、そういうときに昔は周りの中で叱ってくれる人がいました。でも今の年齢になってくると、そういう人も少なくなってくるので、そういうときには自分で集中するようにしています。今やれることに集中する。センターバックというポジションは常にやることが溢れているので、集中して視野を広く保つ。うまいとか下手とか、ミスをするかしないかではなく、今やれることに集中するということです」

 

伊藤選手:「うまくいっているときこそ周りを見るようにしています。毎日みんなの表情を見て、今日元気がなさそうだなと観察して、試合中にうまくいっていない選手に声をかけるのも、普段から見ているからこそできる。また自分がうまくいかないときは、とにかく笑うことを意識しています」

 

サニー選手:「特定のルーティンはありませんが、試合前はゆっくりしたテンポの曲を聴きます。アメリカの友人たちは速いラップを聴くことが多いですが、私はアデルやサム・スミス、エド・シーランを選びます。神経を落ち着かせるためです。グラウンドではミスをした後に頭の中でくよくよしてしまうのが悪い癖ですが、このチームのみんなが毎回『次のプレー』と声をかけてくれるので、ポジティブに変換できるようになっています」

 

 

「もっと語学を勉強しておけば良かった」「コンディション作りの習慣を早くから」――若い頃に戻ったらやっておきたいこと

 

育成選手たちへのメッセージとして、「若いときにやっておけば良かったこと」が語られました。

 

高橋選手:「技術の練習も走ることも、やれることはたくさんあったと思います。ただ、そのときはそのときで頑張っていたとも思うので、どちらかといえば語学、英語を話せていれば良かったと感じています。代表活動や海外遠征でのコミュニケーションはもちろんですが、サニーやローリーのような選手が同じチームにいるとき、自分が英語を話せれば彼女たちがより安心して環境に溶け込める。語学はとても大切なコミュニケーションツールだと実感しています」

 

伊藤選手:「青森では12月から3月の4ヵ月間は雪で屋外練習ができず、体育館での練習が中心でした。今の選手たちがフルピッチで練習できる環境はとても恵まれていると感じます。私がやっておきたかったのは、戦術的な知識をもっと早くから学ぶことです。高校まで分析スタッフもなく、選手たちで話し合って分析していました。個人・グループ・チーム戦術をこの年代から学べていれば、もっと早く成長できたと思います」

 

サニー選手:「技術的には苦労した記憶がなく、サッカーをよく見ていたので戦術面も問題ありませんでした。ただ、コンディション作りの習慣を若い頃から身につけておけば良かったです。フィットネスは常に自分の課題で、早い段階でその習慣をつくっていれば、プレースタイルも変わっていたと思います」

 

 

 

「小さな達成を褒め続けること」「心だけは健康であること」――ケガ中のマインドの保ち方

 

最後に、育成選手からの質問の時間が設けられました。

一つ目の質問は、これからのシーズンに向けて自身の課題とどう向き合っているか、その取り組み方についての質問でした。

 

高橋選手:「今年のテーマに掲げてるのは、アジリティ、スピード、ジャンプの部分です。それをどう進化させていくかというところはトレーニングをやれるだけやります。そのためにトレーニングもするし、自分でもすごく調べるところはやります。元々長年の課題ではあるし、対海外の選手たちとやったときに全然足りないなと思わされる部分になります。日本だったら攻撃でクロスを上げる前ぐらいにボールを奪われたとしても、ハーフウェイラインぐらいで取り返せることが多いんですが、アメリカ女子代表だと、相手の陣内の深い位置でボールを奪われたとしても、一気に自分たちのゴール前まで持って行かれてしまうスピードがあります。それくらいのスピード感なので、本当にやることだらけです」

 

伊藤選手:「プレー面のところで言うと、自分のプレーの癖としてはスルーパスを出したり、パスをして終わってしまうことが多いです。そこからしっかりとペナルティーエリアに自分で入っていって、ゴールを決めてチームをしっかりと勝利に導く。昨シーズンからずっと意識してやっているのはミドルシュートのところです。自分のシュートの形を増やしていくところは今年も継続してやっていきたいなと思っています。プレー面以外で言うと、昨シーズン副キャプテンをやらせていただいて、自分の中でうまくみんなを引っ張っていけなかった、巻き込んでいく力だったりが足りなかったと思いました。全体を引っ張っていくことだったり全体に対して何かを言うことって、すごく苦手としている部分であるので、今年はそこを頑張っていきたいと思っています」

 

サニー選手:「シーズンが始まるまでにあと5週間あるんですが、その間にコンディション面を常に上げていく努力をして、シーズンが始まってからは自分がチームに貢献できるような、アシストだったりゴールだったり何らかの形で自分がチームに貢献できたらと思ってます」

 

そして、現在前十字のケガでプレーができていない育成選手からの質問がありました。その選手は、今の現状をなかなかプラスに考えることができないと告白し、涙を流しながら、どのような気持ちでチームのサポートやリハビリに取り組めばいいのか、と切実な思いで3選手に質問をしました。

 

サニー選手:「先を見すぎないことが大切です。未来に意識を向けすぎると、今を前向きに考えられなくなります。なぜ、自分だけがプレーをできなの?とか。なのでチェックボックスに印を入れるように、ジョグができた、ボールに触れた、そういった小さな達成をひとつずつ喜ぶこと。コントロールできることに集中する――栄養、リカバリー、リハビリ、それらを精一杯やること。もし全前十字靭帯のケガでサポートが必要なら、いつでも声をかけてください」

 

伊藤選手:「私がケガをしたときに考えていたことは、またみんなと楽しくサッカーをやりたい、家族に頑張っている姿を見せたいという、シンプルで初心の気持ちを大切にしていました。ケガをする前の自分よりパワーアップして戻るという目標を立て、リハビリをしながら足りないものをひとつずつクリアしていくイメージで取り組みました。チームメートといるときは、つらくても常に笑顔でいることを心がけていました」

 

高橋選手:「私も前十字をしたことがあるし、ほかのオペが必要なケガもしました。今もケガでちょっと離脱中です。そのときに大切していることは、まず心だけは健康であること。心が元気でなければ、ケガを治す力も弱くなる。だから、そのためには好きなことをして、好きなものを食べて、少し自分勝手になっていいと思います。そして毎日自分をたくさん褒めること。1日に1つはいいことが必ずあると思う。それをノートに書いてみるだけで『いい日だった』と思えるようになる。リハビリ中も『今日も一番頑張ったのは自分じゃないか』と勝手に思い込む(笑)。その元気が体にも伝わって、本当に良くなっていくと信じています。何かあったら、本当にいつでも行くので、レッズランドとかでも声を掛けてほしいです」

 

さらにサニー選手は、その選手のことを思い、あえて再度手を挙げて、その周囲の仲間に対しての言葉を伝えました。

 

サニー選手:「ケガしている選手に対して、チームメートが声をかけることも非常に大切です。ケガ中は孤独を感じやすいものです。些細な一言でも大きな励みになります」

 

そして、高橋選手も「本当に、些細な声かけがとても励みになります」と強く同意しました。

 

 

セッションを終えて

 

工藤スポーツダイレクターはセッションを終え、最後に育成選手たちに向けて次のように期待を伝えました。

 

工藤:「トップチームの選手からのとてもいい話だったし、育成選手からもいい質問でした。

 

チームというのは、1度みんなでこうして一緒のチームになったら、もちろんそのあとに移籍をしたり、違う道を歩んだりするかもしれないけど、これはずっと続いていくと思っています。本当にいい仲間であってほしいなと思います。

 

今日トップの3選手、キャンプ6日目で疲れている中で、育成選手向けにこういう話をしてもらいたいと言ったときに快く受けてくれました。課題のところの質問も何も隠さずにみんなの前で話してくれています。昨シーズン後の面談で、彼女たちが話してくれていたことなので、本当にオープンに話してくれたと思います。そうしたオープンな3人ですし、トップの選手たちはみんなそうなので、何かあれば質問してください。

 

それと、今日なにかしらの気づきがあったと思います。その気づきを自分のものにできるかどうかというのは、今日のことをしっかり考えて自分の中に落とし込んでいかなければいけません。

 

ぜひ自分の力に変えていって、早ければ2年後に、1番かかる人でも5年後ぐらいには、今回の3人のように後輩たちの前に出て話せるような選手がここから多く出てくることを僕も望んでいます」

 

 

キャンプ6日目の疲れが残る中、3選手は何の制限もなく自らの経験を語ってくれました。

 

浦和レッズへの思いと、感謝の気持ちを忘れないこと、そして自分の弱さと正直に向き合いながら前進し続けること――トップ選手たちの言葉は、育成選手たちにとって大きな気づきと勇気をもたらすものでした。

 

 

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この原稿は、レッズレディースパートナーであるStoryHub社のプロダクトを活用し、人とAIが共創して作成させていただいております。
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