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コラム「12年前の今日(2000年11月19日)」

12年前の11月19日、浦和レッズはシーズン最終節でサガン鳥栖にVゴール勝ちし、J2リーグ2位でJ1復帰を決めた。
苦しいシーズンだった。開幕1巡目こそ順調に勝ち点を積み上げてきたが、2巡目、3巡目になって負けやドローが目立つようになり、最後の4巡目は苦戦が続いた。
第40節(36戦目)、モンテディオ山形にホームでまさかのVゴール負けを喫し、その後は水戸ホーリーホック、湘南ベルマーレ、大宮アルディージャにいずれも1-0で3連勝するが、湘南にはVゴール勝ちだったので、勝ち点を1減らしていた。その結果、43節(39戦目)を終えてもJ1昇格を決められず、3位の大分トリニータに勝ち点2差をつけての2位と、昇格圏ギリギリにいた。
最終節(40戦目)で大分が90分で勝った場合、レッズはVゴール勝ちを含め勝てば2位のままだが、引き分けだと勝ち点で並び得失点差で3位になってしまうという状況で、ホームに鳥栖を迎えたのだった。
快晴の駒場スタジアムには2万207人が詰めかけた。試合はレッズが主導権を握って進むが前半は無得点。しかし後半開始早々、福永 泰のドリブルで敵陣に運び、アジエルがこぼれ球を拾って先制点を決めると全体が勝利ムードに包まれた。
ところが7分、GK西部洋平とDF西野努の連携ミスでゴール前のハイボールをクリアできず、鳥栖のルシアノに押し込まれてしまう。J1復帰を目前にした緊張からか、信じられないミスだった。
さらに18分。鳥栖の縦パスをピクンがクリアしきれず、石谷吾一にドリブルを許す。室井市衛が懸命に追いついてタックルに行くが、ペナルティーエリアの中で判定はPK。しかも室井が得点機会阻止で退場。レッズサポーターの血の気が引いた。
しかし、このPKを鳥栖のルシアノが失敗。絶体絶命のピンチをしのいだ。
DFラインに土橋正樹を入れ、FWの大柴健二を外したレッズは、勝ち越しを目指しチャンスも作るが決められず、1-1のまま90分を終えた。
Vゴール方式の延長。前年最終節は、この時点で降格が決まった。今回はあと30分の間に1点を取ればいい。だが数的不利は変わらない。重くなってきた駒場の雰囲気だが、延長開始までの短いインタバルに、ベンチスタートだった岡野雅行がピッチをダッシュしてサポーターを鼓舞し、ムードが一変した。
キックオフと同時に相手ボールに襲い掛かる岡野、シュートを放つ小野伸二。1人少ないことを感じさせない勢いで1点を狙うレッズは主導権を取り戻した。
4分過ぎ、アジエルが相手エリア前右で倒されFKを得る。直接狙った阿部敏之のキックは鳥栖の壁に当たり逆サイドへ。ルーズボールを拾ってコントロールした土橋が左足を振り抜くと、ボールはGK高嵜理貴の伸ばす手を越えてネットに突き刺さった。
良いリズムで先制しながら、ミスで失点。完全に相手に点が入る場面を、自らの退場と引き換えに防いだ室井。そのPKを相手が失敗。室井の穴を埋めるために出場した土橋の前にこぼれて来たボール。ここまでシーズン無得点だった土橋がJ1復帰を決めるVゴール。
この年は、ぶっちぎりでJ1復帰をもくろんでいた開幕前の思惑とはまったく違う、山あり谷ありのシーズンになったが、それを象徴するかのような95分間だった。
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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