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ミシャ監督・武藤 試合後記者会見

ACLグループステージMD1 vsシドニーFC 試合後のコメント

【ミシャ監督】
「今日は、武藤選手とこうして記者会見ができることを、非常に幸せに思っています。私がコメントするよりも、皆さんは武藤選手に興味を持ってもらって、たくさん質問してほしいと思います(笑)。

まず、我々は今年最初の公式戦で、相手は既にシーズンを戦っているチームでした。そうした対戦は、非常に難しいものです。それに加え、我々はこれまでのACLで、いい結果を出すことができませんでした。そういう意味で、今日の初戦は、我々にとって非常に難しい試合だったのは、間違いありません。

どのチームも、シーズン最初のゲームは難しいものです。ただ、シーズン最初の試合で選手たちが見せてくれた、勝利への強い気持ち、攻守にわたる運動量、球際の強さと、私は選手たちのプレーに満足しています。

内容に関しては、もっといいゲームができる、よりコンビネーションや連動性を持った崩しができるのは間違いないでしょう。ただ、シーズンの最初のゲームで勝利できたのは、私自身、非常に前向きに捉えられる出来事だと思っています。過去2回のACLでは、最初のゲームで敗戦して、スタートしていました。その意味でも、今日の初戦を勝利で終えられたことは、我々に対して自信をもたらすと思っています。その自信、そしてポジティブな結果が、ポジティブなサイクルを生んでいくと思っています。

このポジティブな結果は、ACLだけでなく、中2日で迎えるJリーグの初戦にもポジティブな影響をもたらすと思っています。その意味でも、今日の試合を勝利で終えられたのは、大きな意味のあることだと思っています」

【武藤雄樹】
「昨年の反省を踏まえても、ホームで勝ち点3は絶対だったと思います。今日は勝てたことに、非常に満足しています」

【質疑応答】
(仙台時代、アーノルド監督の下でプレーをしたが、今日プレーをしてどうだったか?)
武藤雄樹
「仙台時代、なかなか試合に出られない中、アーニー(アーノルド監督)が就任して、すごく僕を信頼して、長く起用してくれていました。そこで自信をつけたということもあり、アーニーには感謝しています。

昨日少し話したときに『ゴールを決めてみせるよ』と言ったので、そういう姿を見せられたのは本当に良かったと思いますし、最後に、グッドラックと言ってもらえました。同じグループにいるので、いい結果を届けられるように、またがんばりたいと思います」

(レッズに来て、ここまで活躍できた一番の要因は?)
武藤雄樹
「レッズのサッカーに僕の特長がマッチしたのが一番だと思います。その中で、ミシャ監督が信頼して起用してくれているので、日々自信がついてきたこともあると思います。今日、点を取れたことで、またひとつ自信がつきました。今シーズンが始まるにあたり、弾みのつく、いいゴールだったと思っています」

(立ち上がりはすごくよくて、その後に少しばたばたしたが、後半は落ち着いて試合を進めたように見えた。ハーフタイムにどのような指示をしたか?)
ミシャ監督
「相手の監督さんは、我々のことをよく分析されていたと思います。彼は仙台で監督をしていたので、我々のやり方をよく知っていたと思います。我々が1-0でリードした後くらいから、相手は我々に対し、うまく対応してきたと思います。

我々はサイドから攻撃を仕掛けようという意図を持っていましたけど、それがなかなかうまくできない時間が続きました。ハーフタイムに選手に伝えたのは、普段であればボランチが1枚降りて4枚で回すところを3枚にして、青木と阿部が落ちないような形で攻撃を組み立てようという話をしました。そのことによって、相手のボランチがウチのボランチのところに来なければいけなくなり、それによって縦パスが入れやすくなるのではないかという意図で、指示をしました。そのことによって、比較的縦へのボールは増えたと思うんですけど、初戦ということもあって、なかなか我々の狙いとするサッカーが出せなかったのも、事実です」

(流れの中では相手に崩されず、ピンチはなかったが、今日はセットプレーでピンチが2つあった。セットプレーの守備での課題については?)
ミシャ監督
「簡単に答えられる質問です。もちろん、190cmの選手が相手に何人もいるならば、それに対応するのは簡単なことではありません。ヨーロッパのトップクラブ、例えばFCバルセロナやバイエルン・ミュンヘンなどは、我々と比べても、そこまで高さのある選手がいるわけではありません。相手の、20mくらいのフリーキックであれば、できるだけラインを下げないことが必要です。

もちろん、そこはギリギリの駆け引きになるでしょう。ラインを上げながら、できるだけ、相手をゴールに近づけさせないようにします。今日の試合でも、時間帯によっては見せられたと思うんですけど、できるだけ前で、相手の陣内でボールを奪うことにトライしました。自陣の深いところでセットプレーの守備をするような機会を与えない、というような意図もあって、我々は前から守備をしています。

ただ、すべてがすべて、そうはいかないのも事実です。いろんなことを含めて、うまくいくため、成熟していくためには、時間がかかります。高さがそれほどなくても、技術とスピード、あるいは予測があれば、充分に相手を押し込んで、自陣の深い位置でのセットプレーは避けられます。そのことで得られるアドバンテージと、アドバンテージがない部分の比較で、アドバンテージがある部分が多ければ、それは我々にとってプラスに働くでしょう。

我々は、公式戦が続いていく中で、そこでの精度を上げていきたいと思っています。前からプレッシャーにいくところ、セットプレーでギリギリの駆け引きをしながら対応するところは、精度を上げていきたいです。全部がいきなり、うまくはいかないと思います。試合をしながら、自分たちに何ができて何ができないのか。そして、できる部分を伸ばして、できない部分を改善していく作業をしていきたいです」

(いつもの試合に比べ、レッズは短いパスをつながず、割と早めに、相手の裏を狙うことや、前の選手に速いボールをつけることが、特に前半は多かったが?)
ミシャ監督
「相手は途中、リードされてから、前からプレッシャーに来るようになりました。比較的相手のディフェンスラインが浅かったので、その裏を狙うのは、途中から意図としてありました。ただ、そこで効果的なボールが出ていなかったのも事実です。ボールを入れて、落として、3人目が裏を狙うような展開をできればよかったのですけど、そこでのボールの動かしが、うまくいっていませんでした。そこのところは、シーズン最初のゲームだったということも、あると思います。

縦パスが入った後、ワンクッション入れてからスペースに出たほうが、相手の裏を効果的についていけると思います。ただ、縦に入ったところで、後ろに戻すパスが多すぎたのではないかと思います。そこからの、縦への展開が、あまり多くありませんでした。あるいは、後ろでボールを動かしながら、スペースができたところでグッと持ち運ぶ、そこからの展開も意図としてあったんですけど、残念ながら、選手は確実にやろうとする思いが強かったのか、なかなか効果的に出せていませんでした。それは今後の試合の中で、改善していきたいところです。

確実にボールをつなごうという意識が、選手の中にあったのかなと思います。そうなると残念ながら、相手のゴール方向にボールがいかないのも事実です。リスクを負うことで、奪われればカウンターを食らうこともあるでしょう。ただ、浦和レッズは攻撃的なサッカーを目指しているチームです。その中でカウンターを受けるシーンも、もちろんあるでしょう。ただ、我々はそういう狙いを持ってやるチームだからこそ、今後の試合で、よりリスクを負って、攻撃的に仕掛ける割合を上げていかなければいけないと思います。

メディアの方は、リスクを負った戦い方をしてボールを失い、カウンターで失点して負けれることがあれば、そのことを批判するでしょう。ただ、そこでリスクを負って攻撃をしなければ、ゴールはできないでしょう。そこの見方に、私と皆さんでは、違いがあると思います。メディアの皆さんに『レッズは負けたけどリスクを負って攻撃を仕掛けていた』と評価してもらえれば、我々はもっと戦いやすくなるし、日本のサッカーの見方も変わってくると思います。

私の指導方針にもありますけど、選手がより危険なアイデアを持ってプレーを選択したとして、そのプレーが成功しなかったとしても、私は選手を尊重しなければいけません。危険じゃない選択ばかりをしていれば、ミスは起こらないけれども、そのことで得点は生まれません」

(レッズの今後の戦いには、日本のサッカーファンの注目が集まっている。タイトルを狙う上で、レッズはリーグとACLを、どのように並行して戦っていくか?)
ミシャ監督
「おっしゃる通り、皆さんの期待は大きいでしょう。Jリーグであろうと、アジアであろうと、我々にタイトルが期待されているのは間違いありません。

我々には、リーグ、ACL、ヤマザキナビスコカップ、天皇杯、どんな大会であろうと、タイトルが求められると思っています。私は、我々はアジアでベストのクラブだと思っています。周りがどう評価するかは分かりませんが、私はそういう自信を持って取り組むことが必要だと思います。どの大会でもタイトルを目指す、そういう覚悟を持って、監督、選手、チームとして取り組むことが必要です。

私が浦和に来て4年、リーグではタイトルを獲れていません。天皇杯も決勝まで行きましたが、勝てませんでした。ヤマザキナビスコカップもしかりです。ACLは、私が来てから3回目の大会ですけど、過去2回はグループステージも突破できていません。リーグでは、タイトルに近いところまで戦いながらタイトルを獲れませんでした。カップ戦も準優勝と、決して悪い結果ではないですが、タイトルが求められる中で、私自身も選手たちも、応援してくれるファン・サポーターも、誰も満足していないのは確かです。

昨年を振り返れば、チャンピオンシップの準決勝に負けた後、バスに乗り込む私のところにサポーターが来て、『タイトルを獲れなかったのだからレッズを去るべきでは』と直接言われました。それもレッズだと思います。

プレッシャーは常につきものであり、そのプレッシャーがあるからこそ、やりがいのある仕事だと思います。日本には鹿島、FC東京、広島、F・マリノス、名古屋と、優勝を狙うチームがたくさんあります。その中で常に上位を争い、タイトルを獲るのは簡単ではありません。ただ、レッズにタイトルが求められるのは分かっています。それがレッズです」

(URD:OM)

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