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「目指すところは昨シーズンの継続」ミシャ監督

20日、チームは2013シーズン始動。必勝祈願、大原サッカー場での練習を終え、ミシャ監督が会見を行なった。


「まず、新年明けましておめでとうございます。今年も皆さんが健康でお互いに良い仕事ができるように祈っています。健康が一番です。健康であれば、それぞれの目標に向かって良い仕事ができるでしょうから。新しいシーズンに向けて、もし私がすべて話してしまったら質問することがなくなってしまうかもしれませんから、皆さんからの質問に答えていきましょう」

【質疑応答】
(監督の腰の状態については?)
「向こうに戻ってから2回ほど、腰の手術をしたのですが、1回目の手術は思ったような成果を得ることができず、10日間の中で2回ほど手術をしたのですが、2回目の手術は12月14日でした。非常にうれしいことに、幸運にもこれがうまくいきまして、ここまで、状態が良くなってきています。
腰を悪くして、長く神経症状があった影響もあって、脚の筋肉がだいぶ落ちている状態です。一応杖がなくても歩けますが、杖をついて歩き方を矯正する、あるいはトレーニングをしてなくなった筋肉を戻す、つけなければいけない状況です。
キャンプでは選手もハードに練習をすると思いますが、私自身も選手と同じようにリハビリをやっていかなければいけない。私にとっても『キャンプ』です。腰に関しては非常に良い方向に向かっていて、私自身も非常に満足しています」

(前半の過密日程を、結果を残しながら乗りこえていく上でポイントは?)
「まず選手たちが日々、しっかりトレーニングを積むことです。昨シーズン、新しいサッカーにチャレンジしていく中で、それぞれの選手が自分たちのサッカーを理解してきていると思いますし、それぞれの選手たちが自分自身のポジションで求められることもはっきりしています。
今シーズン、キャンプで多くの練習試合を予定していますが、それぞれの選手がさらにやるべきことをやっていき、精度を上げていく。そして練習試合の中で、メンバーの組み合わせを替えながらやることになると思いますが、組み合わせが替わったとしてもしっかりと機能する、あるいはそれぞれの選手が自分の役割をしっかりと担ってくれる、そういうことをキャンプの中でやっていく。それがうまくいけば、過密なスケジュールでも選手を入れ替えながら、リーグ戦とACLという日程を戦っていけるのではないか。その準備がこのキャンプでは大事になってくると思います。
選手たちが自分は常に試合に出るんだと、試合に出続けることがとにかくいいことだと考えてしまうと、それは非常に危険なことです。
昨シーズンを通して、私は選手と密にコミュニケーションをとってきましたし、多くの話をしてきました。今年も選手たちと常にオープンに話をして、正直な話をしていければと思います。
例えば試合に出ていた選手が、次の試合で違う選手が出たときに、それをどういうふうに選手自身がとらえるのか。その部分を話しながら、選手たちに理解していってほしいと思います。決して自分が出ることだけがいいのではない。大事なのは常に、チームが勝利すること、常に選手たちがそれを念頭に置いてやってくれるかどうか。振る舞ってくれるかどうかを、これからキャンプでは、選手と話しながらやっていきたいです。
チームは良い雰囲気で今まで、トレーニングや試合をやってきました。今日も素晴らしい雰囲気で練習できましたし、その雰囲気をしっかりと維持してやっていけるように選手に働きかけていきたいです。その辺りの話は昨シーズンを通して言ってきたことでもありますが、とにかく選手は、常にチームのために、常にチームの勝利のために振る舞ってほしいし、行動してほしい。チームの成功があって初めて、個人の成功につながる。その順番を間違えてとらえないでほしいと、選手たちに伝えていこうと思っています」

(今季の目標は?)
「シーズン前、こういった会見の席に来るとよく聞かれることですが、私という監督はコロコロと自分の考えを変える人間ではありません。私自身は目指すところの方向性、道は見えています。私は多くを語る監督ではないと思いますし、こういった場で多くのことを約束する人間ではありません。昨シーズン、シーズン前の会見で言ったことを思い出してもらえれば分かると思いますが、自分たちがどこを目指しているのかというのは、ピッチで表現していくんだと。
我々の練習、試合で、自分たちがどこに向かっていくのか、どこを目指しているのか、それを日々、示していきたいと思っています。昨シーズン、我々はこのチームを新しくスタートするにあたって、ベースをしっかりと作っていく、そして自分たちがどういうサッカーをするのか、どういう方向性を目指していくのかというのをみんなに示していく。その方向性は昨シーズン、示せたはずだと思いますし、その中で良い結果も残すことができました。
サッカーをやるにあたって、もちろん、昨シーズンよりも良い結果を目指しますが、結果は非常に水物であると。どうなるかは分からない、ただ、我々は昨シーズンよりもさらに良いサッカーを見せる、さらに自分たちのサッカーの精度を高めていく、そして昨シーズンよりもサポーターの皆さんに満足していただけるような、そして、より信頼を勝ち取れるチームになりたい。目指すところは昨シーズンの『継続』です。目指す方向に向かって日々、進んでいく。それが今シーズン、目指すところです。
日本のJリーグは非常にチーム同士の力が拮抗しているリーグです。これほど各チームの力が拮抗しているリーグは世界を見てもないと思います。それくらいJリーグは危険なリーグです。12チームくらいは、優勝を目指す、あるいは上3つを目指す、そういったことが言えるのではないでしょうか。昨シーズン、ガンバが降格しましたが、私にとっては非常に驚きのあった結果でした。37年間、プロのリーグを見てきましたが、リーグの中で最も多くのゴールを決めたチームだと思います。得失点差もプラスで終わったチームが降格するというのは、どこのリーグでも存在しないのではないでしょうか。
我々は引き続き、練習はすべて公開しようと思っています。どなたでも見に来れば見ることができます。日々、どういった練習、取り組みをしているのか、どこを目指していくのか、そういったことを示していけるように、ピッチの上で汗をかきたいですし、そうした方向性をぜひ見に来てほしいと思います。
昨シーズンもそうでしたが、試合前になれば誰が次の試合に出るのか、だいたい予想はついたと思います。我々には何も隠すことはありません。どういう練習をしているかも常に見ることができると思いますし、次の試合に誰が出るかもだいたい予想がつく。それくらい、何も隠すことはないし、見てください。
浦和レッズは日々の努力、日々の練習に自信を持って試合に臨んでいます。日々、しっかりと努力をして、良い練習をすること、それが成功につながっていくと思います。間違いなく、今シーズンもよいものになるんじゃないかと思っています」

(今シーズンの補強について、監督の印象は?)
「4人の選手が他のクラブから移籍してきました。それに加えて草津に期限付き移籍していた永田拓也と、レッズユース出身で大学から阪野が入りました。現実的に、4人の選手が補強と言える選手として考えていいのかなと思います。2人は若い選手ですから。
4人の選手とも、自分の強い思いで浦和レッズに来てくれた選手だと思います。昨シーズンの出場記録を見てもらえれば分かりますが、4人の選手のうちレギュラー格で出ていた選手は森脇だけだったでしょう。興梠は鹿島では先発出場する機会は少なかった。関口はケガの影響もあったかもしれませんが、仙台で多くの試合に出場しているわけではなかった。那須も柏でそれほど出ていなかった。
ただ、クラブも私自身も希望した選手です。私にとっては良い選手だと思います。私自身が大切に考えていることは、素晴らしい選手であるとともに素晴らしい人間性をもった一人の人間でなければいけないということです。良い選手というだけではなく、素晴らしい人間性をもった選手が浦和レッズのファミリーに加わってもらえたのではないかと思います。
4人の選手は、選手としても人間的にも素晴らしい選手であると評価しています。その選手たちがどう活躍するかは今後、見ていきましょう」

(リーグとACLを戦うのは監督自身、2度目ですが、過去の戦いから得た教訓は?)
「まずACLを戦うのはすごく名誉なことで、素晴らしい大会に参加できることは私にとって光栄です。過去、リーグ戦とACLを戦った経験から得たことは、この時期、リーグ戦とACLが始まるまでに、いかに同じポジションで代われる選手、複数の選手を作っていけるかどうか。要するに、試合で使える選手をいかに多くしていけるかだと思います。
その中で、しっかりとリーグ戦とACLをローテーションしてターンオーバーしていけるかどうかです。ただ単にターンオーバーするということではなく、ターンオーバーしても質が落ちない選手を1人でも2人でも作っていけるか。それが過去から得た教訓です。連戦の中で疲労がたまっている選手がいたとします。連戦の中で良いパフォーマンスが出せなかった。なぜ代えないのだと言う方がいらっしゃると思いますが、代えても新しく入った選手が良いプレーができなければ、代えるためだけの交代になります。
そのターンオーバーは意味がない。良い選手がいて、ただその日は調子が悪い、あるいは疲労がたまっていて疲れている、そういう状況の中でも一瞬のひらめきで素晴らしいパスを出すかもしれない、一瞬のひらめきですごいシュートを決めるかもしれない。交代する選手が、そこのポジションに入って良い働きをするという確証が監督の中になければ、交代するだけの交代になり、意味はありません。
私自身がこの交代によってチームが前向きになる、あるいは良い状況に変わることへの思いがあれば代えるでしょう。そう思えない交代は意味のない交代です」

(監督が、ピッチの上で選手たちに要求するのはどんなことですか?)
「ほかの指導者の方とあまり変わらないのではないでしょうか。良いプレーをすること、走ること、きちんと規律を守ってプレーをすることです。
私自身、監督として我慢強い方だと思います。ただ、私自身は選手に最もやってほしくないことは何かを恐れながらプレーをするということです。ミスしたらどうしよう、ボールをもらう前にそういうことを思っている選手はたぶんいると思いますが、そういった思いを持ちながら、怖がりながらプレーをする選手にはなってほしくありません。
我々の選手たちは、何も恐れることはないと思っています。私自身は試合に入るにあたって、その試合で起こりそうなシチュエーションは、選手に準備させていますし、トレーニングの中でやっています。だからこそ、選手は何も恐れずに試合に臨んでほしいですし、思い切ってやってほしい。自陣のペナルティーエリアの中でもつなぐときはつなぎなさいと指示しています。
例えばボールを取られてそれで失点するような場面があったとしても、それは私の責任です。恐れる必要はないので、普段やっていることを思い切ってやってほしいと常に思っています。恐れる気持ちが選手にとって、最も大きな敵だと私は思っています。
サッカーというのは何かアイデアを持ってチャレンジしなければいけないと私は思います。1回、チャレンジが失敗したからといって駄目出しをしてしまってはいけないと思います。2006年、私が広島に来た当初は、よくサポーターにブーイングされたものです。我々はGKにバックパスをして、それをつないで後ろから組み立てることを始めました。その当時の日本の我々のサポーターはそれが理解できなかったと思いますし、なぜリスクを負うのか、前に蹴り出さないのかと思っていた方はたくさんいたのではないでしょうか。うちのDFの選手は後ろからボールを持ちだして、相手陣内に入って攻撃に参加していく。それが理解できない方はたくさんいたのではないでしょうか。
当時、そういったサッカーをするチームは日本にはなかったのではないでしょうか。GKを使って後ろから攻撃を組み立てるのは、広島が日本で最初に始めたのではないかと思いますが、そういった意味では広島が日本のサッカーをリードしたのかなと私は思いました。センターバックの選手がボールを持ち出して相手コートに入って、攻撃を仕掛けるなどという発想は、当時はなかったのではないかと思います。
日本のサッカーの中では革命的だったと私は思います。7年前と今と、サッカーの内容、質というのが日本の中でも変わってきていて、非常に良い傾向だと思います。そして広島が昨シーズン、優勝したのは日本のサッカー界が非常に良い方向に進んでいるのだと私は感じています。
若い選手も育ってきています。そういった選手が海外で活躍しているのは日本のサッカー界には明るい未来があるということだと思いますし、それは日本のサッカー界が良い方向に向かっている証拠でもあると思います」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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