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「決して下を向くシーズンではなかった」ミシャ監督

Jリーグ第34節 vs名古屋グランパス 試合後のコメント

「この試合は非常に難しいゲームになることは予想していました。ガンバ戦で88分に失点、鳥栖戦では94分、最後のワンプレーで追いつかれるという、精神的にも非常に痛い2試合の後のゲームということで、簡単ではありませんでした。

そういった試合でしたが、我々は前半の早い時間に1-0とリードすることができました。本来ならば、早い時間でリードできたということは、チームがその後の時間を落ち着いて進められるはずでした。しかし、我々のチームは1-0のリードの後、少しプレーが、怖がりながらというか、慎重になりすぎた感があったと思います。

攻撃の組み立てのところでバタバタと落ち着かない部分があったと思います。選手が慎重になりすぎたのか、あるいは力みすぎたのか、本来の自分たちの攻撃の組み立てができないという展開でした。それはリードしているからなのか、それはなかなかわかりませんが、そういう状況でした。ただ、その中でも選手たちは『勝つんだ』という強い気持ちを前面に出して、走り、戦ってくれたと思います。

ただ、CKからの失点で追いつかれ、それからは攻撃的に行った部分で、後ろのバランスを崩したと思います。その中で、ミスからカウンターを受け、2点目を取られてしまうという、非常に痛い失点をしてしまいました。

シーズンの終盤、ガンバ戦でもいい戦いをした中で、88分に失点をしてしまう。あるいは鳥栖戦で最後のワンプレーで失点をしてしまう。そして今日も、こういったゲームの中で敗戦をしてしまう。非常に我々にとって痛い結果です。今日ガンバが徳島と0-0で引き分けたことによって、我々は勝っていればリーグ優勝ができた、そうした可能性があったゲームだけに、さらにこの敗戦は痛いものとなりました。ただ、痛い敗戦ではありますが、我々はシーズンを通して、決して下を向くようなシーズンではなかったはずです」

【質疑応答】
(ハーフタイムにはどのようなことを強調したのか?)
「怖がらずに、しっかりとボールを動かしながら攻撃を仕掛けていこう、という話をしました。1-0という結果を守って最後まで戦おうと思ったら、どこかで必ずやられるはずだから、自分たちで勇気を持ってボールをつないでいこうと。しかし、言うのは簡単ですが、ピッチの上でそれをやるというのは、決してみなさんが思っているほど簡単なことではありません」

(昨季も残り3節で失速、今季も似たような形で優勝を逃した。一度なら運不運で片付けられるかもしれないが、2年続くなら何か根本的な原因があると考えられる。ミシャ監督はどのような原因でこの結果を招いたと考えているのか?)
「2007年、非常に強い時代の浦和を覚えていらっしゃる方は多いでしょう。終盤にかなりの勝ち点差でリードしてシーズンの終盤を迎えたものの、最後には逆転されたというシーズンでした。

サッカーは時として、なかなか説明がつきづらいものです。後付けで『こうであろう』と言うことはできても、すべては『たら・れば』です。我々はガンバ戦で非常にいいゲームをしていましたが、88分に失点をしてしまいました。

たとえば、それがメンタルなのか、そうでないのかというのはみなさんが思うところなのかもしれません。ただ、なぜあの鳥栖戦で最後のワンプレーで失点するのか、説明をつけるとしたら、それは後付けでしかありません。なぜそれが起こったのかについて、説明のしようがない場面がある、それがサッカーです。

それはメンタルだという方もいれば、選手のクオリティだという人もいるでしょう。いろんな理由を挙げられる方がいると思います。ただ、正しい解答を見つけるのはなかなか難しい、それがサッカーだと思います。

昨年、アウェイの仙台戦では、リードした中で迎えたおそらく95分に、我々は失点して同点に追いつかれました。なぜあのシーンでああなったのかというのは、なかなか説明のつけようがないです。後付けで言うことはできますが、その原因を見つけて対処をしたらこうなる、というのはわからないものです。ただ、我々があの試合で勝利をしていたならば、次の3試合は違ったものになっていたかもしれません。

私は、サッカーはすごく長いスパンでハードに戦うものの結果であると思っています。結果を以てがっかりされている方は非常に多いと思います。ただ、我々は今シーズンを最終的には2位で終えました。それは、過去7年の間で一番いい結果です。2011年、浦和レッズは15位でぎりぎり残留を果たしたチームでした。2012年は勝ち点55を取って3位で終えました。昨年は勝ち点58、2012年よりも勝ち点を3つ多く取りました。

2012年は3位という結果でACLの出場権を得ました。2013年はACLを戦い、終盤まで優勝争いをし、ヤマザキナビスコカップではファイナルまで戦いました。そして勝ち点を3つ多く取ってシーズンを終えています。2014年、我々は昨シーズンよりも勝ち点を4つ多くとってシーズンを終え、ACL出場権を得ることができました。

もちろん、浦和レッズは常に1位、優勝を求められるクラブです。しかし、短期間ですべてを成し遂げられるかと言えば、それは決して簡単なことではありません。ただ、我々が示している方向性、2012年からたどっている道は、間違いなく正しい方向に進んでいることを私は示していると思います。それは毎年、我々にチームとしての上積み、成長が見られるからです。

みなさんも非常に悔しい思いをしていると思います。我々浦和レッズの記事を書かれている方、そして今日見に来て、応援してくれた方にとっては、非常に悔しい思いで今日のゲーム、シーズンを終えたと思います。ただ、ここにいるみなさんに1つ言いたいのは、一番悔しいのは、今日のゲームで誰よりも勝利を望んで戦っていたのは選手たちだというです。そして、誰よりも悔しい思いをしているのも選手たちです。

私は今シーズン、選手たちが非常に素晴らしいシーズンを送り、素晴らしいプレーをしたと思っています。今シーズンの選手たちの活躍や頑張りは、私は賞賛に値されるべきものであると思います。もし、今年が浦和一強、今年は1位でなければならなかったという思いがある方がいるならば、私を批難してほしいと思います。選手たちは、今シーズン非常によく頑張ってくれました。無観客試合があったり、クラブの周りが非常にざわざわしていた、ネガティブなものに包まれていた今シーズン、そこをピッチでの結果で引っ張っていたのは選手たちです。

私は40年間、選手として、監督として、プロで戦い続けてきました。批判を受けたこともたくさんあります。今シーズン、結果に対して何か不満があるのであれば、私に向けてほしいと思います。決してクラブや選手を批判するべきではありません。彼らは今シーズン、非常によく戦ってくれました」

(今シーズンの内容は去年に比べて大きな進歩があった。ミシャ監督にとって、チームのどの部分が成長したと捉えているか?)
「攻撃の部分で言えば、攻撃のバリエーションが非常に増えたと思っています。そして、守備の部分で言えば、全体でコンパクトな守備ができるようになりました。攻撃と守備のバランスは非常に良くなったと思っています。その点は昨シーズンよりも成長している部分です」

(ヨーロッパと日本のサッカーを比較したとき、どういう違いがあるか?そして日本で仕事をする上ではどういったところに気をつけなくてはいけないか?)
「まず、私が9年前に日本に来たときは、日本人選手は外国人選手に対してリスペクトをしすぎていた部分があったと思います。レベルに関しても、そこそこであったという印象です。ただ、この9年の間に、日本人選手のレベルは非常に高くなったと思います。外国、特にヨーロッパから来る選手にとっては、日本はたいしたことないレベルだろうと思っている選手も多いと思います。ただ、日本のリーグは、私の意見では、この9年間で大きな成長を遂げ、レベルが上がっていると思います。

ただ、日本の問題は、意見を変えることが難しいということです。固定概念を変えるのは難しいと感じています。いま日本のリーグは大きな成長を遂げていて、年齢が上の選手、名前のある選手、ただそれだけでは活躍できない位になっています。それは日本のサッカーを見る方、あるいはやる方の中で、考え方を変えていかなければいけないと思います。

『外国人選手は日本人選手よりレベルが高い』という固定概念を持っている方は非常に多いと思います。ただ、日本人選手のレベルは非常に高くなっています。それはドイツのリーグで活躍している日本人の選手がたくさんいることが証明していると思います。

あとは日本人選手の中で、『もっとこうしたほうがいい』と私が思う部分で言えば、毎試合毎試合が同じ戦いではないということです。優勝や降格など、何かがかかっている戦いの中で、選手がレッドカードをもらってでも勝ち切るというメンタルの強さ、そういう試合での勝ち方という部分については、もう少し改善できる部分があると思います。

勝つためであるならば、たとえ退場をしてでもチームは勝ち切らなくてはいけない。それくらいのメンタリティを持ってやらなくてはいけないのですが、そこのところを、何かがかかった試合の中でどういう風に選手たちが戦うのかという部分で、日本人の選手はもっと意識を変えていく必要があると思います。

そういう部分で言えば、ヨーロッパなら3試合前に勝ち点5をリードしているチームであれば、もっとハードな戦いをするのではないかと思います。我々がこの3試合を振り返ってみれば、選手たちはもっと戦えたのかな、という風に思えなくもありません」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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