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「こういうときだからこそ、やれることはやっておきたい」柏木陽介

12日、柏木陽介がWEB会議を使ったメディア取材対応を行った。

【質疑応答】
(新型コロナウイルスの影響で難しい状況が続いているが、日々どう過ごしている
のか?)
「奥さんの実家の仙台に来ていて、ちょうど子供が生まれたということもありましたし、毎日、子供と犬の面倒を見つつトレーニングをしています」

(トレーニングはできることが限られていると思うが、どんなことを意識しながらやっているのか?)
「基本的には走ることをメインにして、有酸素運動を30分から45分やるということは常に心がけています。それから体幹トレーニング、筋トレもできることはやることを意識しています。休みは基本的に週に1日だけという状況です」

(子供が生まれて充実している一方、こういう状況で心配な面もあると思うが?)
「もちろん心配ですが、仙台という場所は安全というか(昨日で)13日間連続で感染者ゼロなのでホッとしています。ただ、一緒に帰ることは今の状況では難しいと思います。個人的にもコンクリートでトレーニングをし続けることで身体にだいぶ負担が来ていて、もともと内転筋が弱いということもあるので、芝生の上を走ったりちょっとずつでもボールを蹴るということに慣れていかないと全体トレーニングが始まったときにケガをしてしまうリスクもあると思います。今後始まっていく試合に向けて、そして自分が今後何年かサッカーを続けていけるように考えて、先に1人で戻ろうかなという状況です」

(まだ大原で練習をしていた時期に会見をやってもらったと思うが、その頃と比べて精神的に変わった部分はあるのか?)
「あのときはもうちょっと早くできると思っていたというのが実際のところで、1ヵ月以上経ちましたが、しんどいっていうほどすごくしんどいとは思っていません。いろいろ自分の中で、サッカー選手としてや、人としてというところで見つめ直せる時間でもあったので、そういう意味では有意義に使えました。ただ、ベテランと言われる年齢で試合に出ないと契約ももらえない状況なので、ベテランの人たちは難しい思いをしていると思います。そういう気持ちがまた自分たちを強くしてくれるのかなということも含めて、ネガティブになりすぎず、自分がやれることをしっかりやっていて、試合が始まったときに自分の力をさらに出せるように意識して日々過ごしています。赤ちゃんともいっぱい接することができて、サッカーができないしんどさはあっても、いろんな意味で充実した1ヵ月を過ごせたのかなと思います」

(ベテランという言葉が出たが、福田正博氏はベテランという言葉が好きではなくて自分では使わなかった。柏木選手が新人だった頃にベテランと言われる選手を見ていたときと今の自分を比べるとどうか?)
「30歳を超えたらベテランというのは自分が若い頃に思っていたことではあるかなと思います。でも実際に自分が30歳になってベテランかと聞かれたときには『まだまだできるよ。これからやで』と思っていました。ただ、世代交代とかそういうところはサッカーの中では言われていることもあって、ベテランってまだはっきりとは言いたくない部分もありますが現実的にベテランなのかなということも含めて、去年まだベテランと感じないまま試合に出られなかったりケガをしたり気持ち的にもプレーもチームに迷惑を掛けたという思いがあった上で、今年また戻って試合に出られてこういう状況になってしまいました。でも全てを含めて自分を強くしてくれた、そしてこれからもっと長くやっていくといきたいと思わせてくれる時間になっています。ベテランだけど35、36、37、38歳ぐらいまでやれたらいいと思っています。35歳を超えたぐらいからやっと本物のベテランと言いたいかなと思います」

(今年からサッカーの面でチームが変化した中、こういう映像を見るようにしているとか、合同トレーニングの時に選手とこういう話をしているということはあるか?)
「合同トレーニングに関しては誰かとコミュニケーションを取るというわけではないです。誰が話しているのかはあまりわかりませんので、そういうことはしていません。映像もサッカーの映像は(中断期間中に)1回も見ていないかもしれません。DAZNでやっている(興梠)慎三の特集は見ましたが、それ以外はサッカーは見ていません。ただ自分がどうあるべきかという考えのところと、身体を落とさないということしか心掛けていません。システムやチームのことは頭の中ではイメージしましたし、今の年齢、ポジションでどういう役割を与えられているのかも自分の中では明確に考えて、少し見えてきた部分はあります」

(サッカー人生だけではなく一般の生活でも経験したことないような状況だが、自分の考えで変わったこと、生まれてきたものは?)
「サッカー人生はそんなに長くやらなくてもいいと思っていましたが、長くしたいな、ちょっとでも長く浦和レッズでスタメンで出てやりたいなという気持ちがすごく強くなっています」

(「自分がどうあるべきかという考え」という話をしていたが、具体的にはどういうことか?)
「今、選手としてどうあるべきかっていうことに関しても、これから今シーズンは連戦になるでしょうし、特にベテランだと連戦ができない状況が続いていく中で、出たら出たときのプレーはもちろんしないといけませんが、出ていないときにどういうふうにチームがモチベーション高くやっていけるかということはベテランというか僕らの仕事だと思います。自分の中で去年は試合に出なかったりケガが
多かったり、立ち振る舞いを含めて自分がやったことはマイナスでした。それを踏まえた上で、今年のプレーを含めて、自分の言葉や行動で若い選手に示せる、本当に芯の通った発言ができると思います。そういう部分でチームを心から支えたいと思っています。『自分の良さは何やろ?』と考えたときに、ボランチとして出ていて攻撃の部分、どういうところにパスを出すかという自分の選択肢が攻撃を握っていると思っているのでそこはもっともっと発揮していかないといけませんが、守備の部分でも相当求められていることがあるので、守備に関しても自分ができること、人を動かして守備をすることをもうちょっと意識してやっていかないといけないと思っています。なので周りとのコミュニケーションも深めていかないといけないというのがサッカー面で感じたことです」

(サッカーがしたくてうずうずしていると思うが、ピッチに立ったときにどんなプレーを見せたいか?)
「もちろんサッカー選手である以上、良いプレーをして勝ちたいというのはありますが、今はどのチーム、どの選手もそうだと思いますが、ピッチの上で一生懸命サッカーをやって、その姿でみなさんの気持ち的な部分を解決してあげたいということが一番だと思います。その次にもちろん結果も見ていかないとといけないと思っていますが、まずはサッカーをしている喜び、見てもらえている喜び、見ている人が楽しんでくれる喜び、そういうものを全力で出していけるようにしていければと思っています」

(先日のこどもの日のライブ配信で「浦和の子供と触れ合う時間を作りたいという気持ちが強くなった」と言っていたが、なぜそういう気持ちになったのか?)
「僕はもともとチームに対しても学校訪問などをもっとした方がいいと話していましたが、学校に行けないしんどさやもどかしたさを子供たちはより感じていると思うので、まずは学校に行ける喜びがあると思いますが、気持ち的に疲弊している子供たちも多いのかなと思います。なので自分たちができることは直接会って、『やっぱり浦和レッズの選手はすごい』と思ってもらって、そこからまた子供たちに夢を持ってもらうとか、目標に向かってがんばる姿勢を持ってもらいたいということを強く感じました。子供たちに将来に向けてがんばってもらうこと日本全体、日本だけではないですが、より良くしていってくれるんじゃないかなと思います。サッカー選手になるという夢だけではなくて、全ての目標に向かってがんばってほしいなということも含めてやっていきたいと思っています」

(現役生活を長くやらなくてもいいと思っていたところから心境の変化があったということだが、何が影響して思うことになったのか?)
「まずは去年、しんどかった1年というか、チームに対して迷惑を掛けた1年だったと思います。今年はしっかり入ろうという気持ちで入って、常に100パーセントで練習に取り組んでいくとサッカーの楽しさをより感じることができました。こういうところで真剣にやって、歳を重ねていっても若い選手たちと競争して試合に出られて活躍できたらどれだけ楽しいことなんだろう、ということがまず一つ変化があったところです。2つ目は子供が生まれたということです。男の子なのですが、自分がサッカーをしている姿をできるだけ長く見せて、目に焼きつけてほしいと思っています。子供にサッカーをしてほしいというわけではなく、『自分のお父さんはこういう人だったんだ』と思ってもらえることが少しでもできたらいいなと思っています。その二つですね」

(現役生活を38歳まで続けたいというのは子供が小学生になるぐらいのイメージなのか?)
『38歳っていうには何となくこれくらいからは本当の意味でどうしても落ちていってしまうんじゃないかなと思っています。35歳を超えられたら38歳までいけるかなと思います。35歳が一つの区切りだと思っていて、35歳までがんばれたら次は38歳を目指そうと思っています。38歳以上はしんどいのかなと思っていたり、38歳までできたときにレッズに対して何かできることがあるんじゃないかなということも考えています」

(ヨーロッパでは試合ができないことで鬱になってしまう選手も出ている。柏木選手は「今年はがんばろう」という気持ちからこういう状況になってしまって起伏が大きいと感じたが、気持ちをどう保っているのか?)
「自分もしんどくなるかなと思っていましたが、去年1年の出来事が一番大きかったというか、サッカー人生としても人としても一回り大きくなれた時間だったのかなと感じています。今年の入りを含めて、少し自信がついたということもありますし、これで負けていられないというか、さっき言った目標がある限り、自分はこういうところでネガティブになっていられません。これでもしマイナスなことが出るようであれば、自分のサッカー人生は短いだろうなと思っていました。今は一つ去年の出来事が自分を大きくしてくれて、今はこういうふうに気持ちの持ち方や考え方で乗り越えられているというのはすごく大きいと思います」

(合同トレーニングはコミュニケーションが取りづらいとも言っていたが、仲間の中で心配な選手はいるのか?)
「今のところはみんな元気そうなのでそこまで心配はしていないですが、再開してからの方がそういう部分は出やすいのかなと思います。がんばってきたけどコンディション的にうまくいかないとか、試合に出ていた人が再開したときに『あ、俺は出られないんだ』ってなったときの方が心配が多いと思います。そこに対しても自分がサポートしたり、自分も出られないかもしれませんが、出ている人への
サポート、出られなくなった人へのサポートをしっかりできるように心の準備をして入りたいです。若い選手はそういう気持ちの持ち方が難しいと思うので、そういうところを支えられるような準備もしていきたいと思っています」

(38歳まで現役をやりたいという話も出たが、平川忠亮コーチや先輩からキャリアについての話を聞いたことはあったのか?)
「引退した選手と引退した後にご飯にいくことが多いですし、そういう話はしますが、みんなが『サッカー選手でありたい』、『サッカー選手であることが一番幸せだ』と言っていますし、その気持ちも現役ながら何となくわかります。でもみんな、それなりに気持ち良く、後悔して引退したという人はいないので、自分もそれぐらいサッカーに没頭して引退を迎えられれば何歳でも後悔しないのかなと思います。まずはサッカーに没頭して、自分ができるところまでやって、後悔のないように引退したいと思っています」

(こういう時期だからこそファン・サポーターに対して思うことやメッセージは?)
「個人的に今までSNSとかで発信しない方ではありましたが、こういうときだからこそやれることはやっておきたいと思っていますし、発信できる立場にある自分たちが何かをすべきだと思って発信していますし、今はそれで何か言われようがそうしてあげたいと思っています。ただ、何より楽しみにしているのは僕たちがピッチの上でサッカーをして、一生懸命やって勝利するということがみなさんが待っていることだと思っていますので、そうできるように準備しつつ、今のうちはみなさんの気持ちが少しでも楽になれるように発信していきたいなと思っています。もちろん外で仕事をしている人もいるでしょうが、まだ緊急事態宣言が取り下げられないうちはできるだけ家にいてもらって、一人ひとりが自分だけのためではなくて人のためを思って行動してもらえたら嬉しいです。それが今後の自分の人生、またサッカーを楽しむという上でもすごく重要になってくると思います。しんどいですが良い時間にしてもらって、自分たちはまたすばらしいものを見せられるようにがんばります」





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