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09.02.26
指宿トレーニングキャンプ後 フィンケ監督
フォルカー・フィンケ監督 指宿トレーニングキャンプを終えて
「現時点で言えることは、この新しいチーム、そして新しい指導者チームと、とてもいい形で共同作業を進めることができているということです。このまま進んでいけば、きっといい形でチームは開幕戦のピッチに立ち、いい雰囲気の中、結果を残していくことができるのではないかと思っています。
これから長いプロセスがあると思います。その道の途中にいる今言えることは、すべての道は整備されていて気楽に前に進んでいけるというわけではないということです。場合によっては、途中にとても大きな石があって、そういった困難を乗り越えていかなければならないときもあるわけです。ただし、私が今のところ得ている感触からすると、チーム全体から大きな目標に向かって進んでいこうという強い意志を感じることができます。そのことに私は満足しています。
また、メディカル部門からは、山田暢久と梅崎 司が非常に高い確率で来週からチームトレーニングに合流できると聞いています。山田直輝は今日チームに合流しましたし、高橋峻希も同じ状況です。エスクデロはまだまだ治療していかなければいけない部分があり、まだチームと一緒にこなせないトレーニングメニューもあります。しかし、体調が完全なものになれば、彼はチームにとってとても大切な一員となることを、私は確信しています。現時点では私たちのチームに31人の選手がいます。チームトレーニングに参加できなかった選手は5、6人です。今までの経験から言うと、31人のうちの5、6人というのは非常に少ない数字だと思っていますし、このケガ人の少なさには満足しています。
今日が指宿トレーニングキャンプの最終日でしたが、メディカル部門、広報部門、マテリアルスタッフ、各部門のスタッフに私は感謝しています。非常にいい仕事をしてくれていますし、彼らからはこの新しいチームを作り上げていくプロセスの中で、共同作業を進めていきたい、新しいチームを作り上げるサポートをしていきたいという強い意思を感じることができたからです。前シーズンの結果がよくなかったというのはみんなよく分かっていますので、全員一丸となって進もうという感触を得ています」
(今季からJリーグ公式戦中のベンチで、携帯電話、無線機などの使用が認められるが、活用するつもりはあるか?)
「実際に使用するかどうかについて、公の場では、まだ話したくはありません。今だからこそお話しできますが、私は7、8年前ドイツで、ハーフタイム中に試合前半の映像を見せながら改善点を与えるというやり方を導入しました。おそらく、ドイツサッカー協会内では、はじめてのことだと思います。ただし、私は当時、そういったことをしているとはメディアに話しませんでした。なぜ今それをお話しできるかといえば、ハーフタイムに映像を導入してから、ずいぶんと時間が経っているからです。ですので、今からある一定の時間が経った後に、『実はあのときから無線機を使っている』とお話しすることもあるかもしれません。
基本的には、コーチングスタッフの1人は別の視野から試合を観戦するべきだと思っています。通常でしたら、スタジアムのスタンドからということになるでしょう。その方が、場合によっては、特に戦術的な動きに関して、どういうことがピッチ上で起きているのか観察しやすいからです」
(映像を見せての指示というのは、具体的には?)
「コーチングスタッフの1人が、試合の際には必ず上から映像を撮っていました。そして、私が『この状況をハーフタイムにもう一度説明したい』と思ったときには、ベンチにいるスタッフに時間をメモしてもらい、何分の状況を見せたがっているか撮影していたスタッフに伝え、ハーフタイムに降りてきたらその時間のプレーが見られるように映像を設定し、選手たちに見せるということを7、8年前からいつもしていました。
しかし、ハーフタイムに必要以上に多くの情報を選手たちに与えてしまうと、選手たちはそれをストレスに感じてしまうことがあります。ですから、本当に大切な状況だけを見せるようにしていました。通常は1つ、多くても2つのシーンを選手たちに見せるようにしていました。映像を使うことで、選手たちにも前半の課題がよく見えてきますし、後半への課題も説明しやすくなります。ただし、選手たちは着替えをしたり水分を補給したり、やらなければいけない後半への準備というものがあります。そこで映像を見せることにあまり時間を使うよりは、選手たちがハーフタイムにいつもしていることを、まず選手たちにやらせて、そしてほんの短い集中した時間の中で、映像を見せながら、後半へのいくつかのポイントを説明するということを長年していました。
このやり方は、審判からは反対されていました。例えば、非常に際どい判定に関して、正しかったのか正しくなかったのか確認することができてしまいます。それによって、後半、主審が選手からいろんな意味での圧力を受けるのではないかと感じていたからです。ただし、彼らはそれを禁じることはできませんでした」
(ここまでの戦術の浸透度はどの程度だと感じているか?)
「私たちの新しいやり方を、チームが完全に実践するまでには、それなりの時間もかかりますし、難しい道だと思います。なぜなら、コンビネーションサッカーを実戦しようとすれば、ボールを失う回数が増えるからです。これは自然な現象ですので、そのことで選手たちを毎回責めるということはありません。
例えば、守備をできる限り固めて、守から攻への切り替えを早くすることで少ないパス数で相手ゴールまで攻めるというスタイルでしたら、ボールを失う回数は少なくなるでしょう。そして、もし失ったとしても、守備を固めているのですから、その意味ではチームとしても安心かもしれません。しかし、私たちは意図的にコンビネーションサッカーを実践しようと思っています。コンビネーションによるパスが増えるということは、その分ボール保持率が上がります。保持率が60パーセント、70パーセントになれば、その分パスミスによってボールを失ってしまうということが何度も起きるわけです。毎回ボールを失ったことを批判するのか、それともしっかりとパスを回して得点チャンスを意図的に作り出せたことを褒めたたえるのか、この違いはあくまで考え方の違いによるものとなります。ですから、パスミスが多いからといって、私たちがやろうとしているサッカーをできていないとうことにはなりません。大切なのは、最後の最後まで私たちのフィロソフィを実践するために、日々努力をして、しっかりとトレーニングに励むことです。
今から言うことは、おかしく聞こえるかもしれませんが、あらかじめ正直にお話ししておきたいと思います。長い準備期間で一度もトレーニングマッチで敗戦がなかったことを、私は非常に気にかけています。準備期間では、少なくとも一回は負けるべきだと思っています。なぜかというと、今までの経験上、一度負けていた方がシーズンでいい結果を残せていたからです。これは贅沢な悩みかもしれませんが、私たちは一度の負けも引き分けもしていません。できれば、次の週末にこそ、やっと負けられるように頑張りたい(笑)と思います」
(現在、目指しているコンビネーションサッカーをどの程度まで選手たちに伝えているのか?)
「まず、サッカーは計算のできないスポーツです。たくさんトレーニングしたからといって勝てるわけではないですから、量で判断することもできません。追求していく道、目標があることは事実ですが、その目標を達成した後には、また次の目標が見えてくるものです。そういうことを考え合わせると、どこまでのサッカーを伝えているか、例えば数字で表すことは非常に難しいです。よく選手たちは、ケガの後に『70パーセントまで来てる』、『80パーセントまで体ができている』ということを言います。
しかし、チーム全体の完成度や戦術理解度などを数字で表すことは非常に難しいです。選手たちを、チームを100パーセントの段階まで必ず持っていくことはできないでしょう。もし、それができると分かっているのであれば、例えば強大な権力者による独裁国家がワールドカップで優勝する可能性が高いでしょう。サッカーは、数字以外のものが出てくるものです。相手がどう出てくるのか分かりませんし、自分たちのコンディションが試合当日どうなるかも一切分かりません。ですので、それをお話しするのはとても難しいですね」
(トレーニング後、円陣を作り、キャンプの最後にどのようなことを話したのか?言える範囲で教えてもらえないか?)
「プロフェッショナルでとても質の高い共同作業をしてくれたことに、みんなに感謝をしました。同時に、このようなキャンプを成功させるためにどうしても必要な裏方のスタッフに感謝し、彼らのことをしっかりと評価するようにと選手たちに伝えました。その後、このサッカー場の手入れをしているグリーンキーパーが2人いるのですが、2人にも感謝をしました。彼らはとてもいい仕事をしていました。短期間にたくさんのトレーニングをしたにもかかわらず、ピッチの状態は非常に素晴らしかったからです」

















