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Copa Chivas Internacional 16 決勝トーナメント3位決定戦 試合レポートvs ATLAS

2016.01.24 ユース

1月23日(土) コパチーバス3位決定戦 アトラス(メキシコ)戦

決勝トーナメントに入り準々決勝、準決勝、そして今日の3位決定戦と、3連戦の3試合目となるこのゲームは、我々の今大会の最終戦であり、オーバーエイジ枠で参加した3年生にとっても、レッズユース最後の試合となる意味合いの濃いゲームでした。

選手全員が昨日の敗戦から切り替えてこのゲームに臨めるかということが1つのポイントでしたが、試合前の選手の引き締まった表情を見ると、チームとして結果を勝ち取ろうという思いが上回っていたと思います。緊張感と集中力を感じる良い雰囲気で試合に入っていくことができました。

相手のアトラスはチーバスと同じグアダラハラに本拠地を置くクラブチームです。2年前の今大会優勝チームで、昨年も予選リーグで対戦し1−2の敗戦を喫しました。“戦う”姿勢と、センターフォワードの収めから、ショートパスによるコンビネーションでサイドを起点に攻撃してくるクオリティの高いチームです。

アトラスはこのゲームに対して、昨日の準決勝から実に7名を入れ替えてきました。9日間で7試合という過酷な日程を考慮し、フレッシュな戦力で勝ちきるプランだったと思います。

試合の入りは昨日のゲームのような圧迫感も少なく、前半6分には時里がボックス内で相手選手をかわして左足でシュートを打つなど、積極的にプレーする姿勢は出ていたと思います。しかし“戦う”姿勢を出そうとする気持ちとは裏腹に、連戦の疲労や12時キックオフの暑さで身体の重さが感じられるゲームとなりました。相手に寄せていく、2ndボールに反応するという意識はあるのですが、本来の動きのようなキレがなく後1歩の反応が遅いため、アトラスに徐々に2ndボールの回収率を上げられ我慢する時間が続きました。

しかしそんな我慢が続く時間の中でも、両サイドを起点とした攻撃から相手を押し込みチャンスは作れていました。前半の最大のチャンスは24分、右サイド深くからのスローインを3年生の松尾佑介が受け、スローインをした2年生の関慎之介がワンツーのような形でボックス内へ侵入した場面でした。相手DFが寄せてきたところをスクリーンターンでかわした関が左足を振り抜きますが、逆サイドのゴールギリギリに飛んだボールがポストを直撃し、ゴールとはなりませんでした。

それ以降の前半終了までの時間は、アトラスのチャンスが続く苦しい時間となりました。ゴール前まで押し込まれ、特に我々の右サイドからのクロスやCKからかなり危ない場面を作られました。

2年生のGK山田晃士、DF関慎之介、DF遠藤凌、MF伊藤敦樹、1年生のDF橋岡大樹は、全試合フル出場を続けていたためかなり疲労の濃い状態でのゲームでした。それでも前半はチーム全員で力を振り絞ってハードワークできていたと思います。結果0−0で前半を終えることができました。

重さのあるゲームをの中で、2ndボールの回収や球際の争い、さらには攻撃時の突破力といったパワーの要素を取り戻すために、後半開始から松尾に代わって2年生の高山大智、1年生のシマブクカズヨシに代わって2年生の松高遼を投入しました。

しかし後半開始も間もない3分、コーナーキックのクリアが小さかったところをボックス内で拾われゴールを奪われてしまいます。後半の入り、最初のリスタートと、特に集中力を必要とする局面でしたが交代で流れを引き寄せることが出来ず、先にリードを奪われてしまいます。難しい体勢でのクリアやヘディングといった局面で感じていたパワーの差を思い知らされる場面でした。後5mボールを遠くに飛ばせていたらこの失点は防げていたかもしれません。

しかしこの失点の直後、我々も相手を押し込みチャンスを作ることができました。右サイドの高山からのクロスにファーで時里が飛び込み、胸でのコントロールからシュートを打ちますが相手DFにブロックされます。さらにその2ndボールを2年生の伊藤敦樹が1タッチでミドルシュートを打ちます。伊藤のシュートは相手GKのタイミングを外しゴールかと思われましたが、残念ながらGKに弾き出されてしまいました。時里も1タッチでシュートを打ち切るタイミングがあったと思いますが、胸でコントロールしたことで相手にブロックできる時間を与えてしまいました。

ゴール前の局面での明らかな違いは、自分の思うところにボールを収めることよりもタイミングを重要視しているということです。彼らは当たり前のようにプレーしていますが、ボールが蹴りずらい体勢であってもここぞのタイミングを逃さず素早くシュートを打つということが大切だということを思い知らされる場面でした。

以降の時間も、1トップへのロングボールに対して橋岡、2年生の遠藤凌が完全に競り勝ち自分たちの時間を多く作れていました。後半の17分には伊藤に代えて2年生の川上エドオジョン智慧を投入し、さらにパワーを持った突破を活かせるようシステムを変更し前線に厚みを持たせました。ゴール前へのクロスはかなり上がっていましたし、CKやFKの本数も多く、相手を押し込んでいましたが、シンプルにゴール前に入れる形では相手の強さ、高さの前にはじき返されてしまいました。流れの中やリスタートでも相手を揺さぶることで今大会は毎試合ゴールを奪えていました。しかし連戦の疲労からか、攻撃のアイデアや相手の守備を混乱させるようなアクションが十分ではなく今大会初めて無得点に終わり敗戦を喫してしまいました。

結果は4位でしたが、本当に立派な成績だったと思います。選手たちは持っている力をすべてグラウンドに置いてきました。試合に向かう準備の部分や集団としての精神性を含めて1試合1試合を大切に扱ってきたからこその結果だと思います。しかしこれだけタフな試合を7試合、結果を残しながら戦うということはとても難しいことでした。

2週間という短い期間でしたが、本当に彼らの成長を感じる大会でした。オーバーエイジで参加してもらった3年生の影森宇京、川上開斗、高橋聡史、松尾佑介は、下級生たちに素晴らしいものを残してくれたと思います。彼ら抜きではこの結果を掴みとれなかったということは言うまでもありません。

今後はこの成長を、日本に残っているすべての選手とチームとして共有すること。良い時も苦しい時も1年を通して継続して続けていくことが大切だと思います。

コパチーバスという大会は、日本での認知度が低くこちらでの取り上げられ方があまり伝わらないかもしれません。しかし開幕戦を含めて数試合、メキシコ全土にテレビ放送されていますし、ホストチームのチーバスはもちろんですが、対戦したアルゼンチンのボカジュニアーズやチリのカトリカなど、参加したほとんどのチームのホームページでトップニュースで扱われるほど素晴らしい大会です。また明日の決勝戦の結果にもよりますが、2年生の時里元樹がかなり高い確率で得点王になる可能性があります。こちらも合わせて付記しておきます。

今回このような形で大会期間中のゲームレポートを掲載させていただきましたが、あくまで試験的な形で、今後このようなレポートを掲載する予定はございません。ご了承ください。

(育成スタッフ)
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