吉良知夏

11日に行われたASエルフェン埼玉戦で、吉良知夏は2得点を挙げてチームのシーズン初勝利に貢献した。4戦を終えて1勝3敗と苦戦が続くが、浮上のためには背番号10のストライカーの活躍が不可欠だろう。昨シーズンのリーグでチーム最多の9得点を挙げた吉良に、次戦のホームゲーム・ベガルタ仙台レディース戦への意気込みを聞いた。


【球際で戦うところとパススピードを上げていく】

■まず、ここまでの戦いについての印象を教えてください。
「昨シーズンから戦い方は変えず、監督からの指導だけでなく選手間でも話し合いながら、チームとして取り組むサッカーを追求しています。ただ、ここまでの結果があまり良くないことには、プレッシャーも感じています。もう少し球際で戦うところや、球離れ、パススピードの部分を上げていく必要があると思っています」

■前節のアルビレックス新潟レディース戦についてはいかがですか。
「多くの時間で自分たちがボールを動かせましたが、そこから縦パスもなかなか入らず、サイドから崩すこともできませんでした。シュートチャンスも全体的に少なく、個人的にも1本しか打てていません。リズムを作るためにも遠くから打つとか、守備時のバランスも考える必要があります。その辺りはポジションの近い選手と話し合っています」


【厳しさも出していかなければならない立場になった】

■昨シーズンは、『1試合1得点』を目標にされていました。
「今シーズンもそこは変えずに取り組んでいますし、そのためにもシュート数を増やしていきたいです。それはゴール前だけでなく、ミドルシュートや、クロスを上げる選手とのコンビネーションも含めてです。いろんな場面で、得点にかかわるところにいたいです」

■プレー面で、参考にしている選手はいますか。
「いろんな選手のプレーを見て勉強をしますし、自主トレで真似をしてみています。やり続けることで試合でも迷いなくシュートを打てるようになってきたので、あとはそれを試合で出したいですね」

■吉良選手は今シーズンでレッズレディース加入後、6シーズン目です。心境の変化などはありますか。
「以前は先輩方に頼っていた部分もあり、多くの先輩方がチームを離れたときは不安でした。ただ、その中で残留争いや優勝を経験してきましたし、今は年齢も自分が上の方の立場になりました。経験を生かし、チームメイトのいいところは褒めながら、厳しさも出さなければいけないと思っています。

人に厳しいことを言うのは苦手なんです。自分も言われたらできなくなってしまうタイプですし、褒められるとのびのびできますから・・・。でも、サポーターのみなさんは、勝つ試合を見るためにスタジアムに来てくれています。私たちはそうした方々に恥ずかしくない試合をしなければいけないですし、そのためにも練習の中から危機感を持たなければいけないと感じています」


【サポーターのみなさんに、ゴールという恩返しを】

■次に対戦するベガルタ仙台レディースから、吉良選手は3ゴールを挙げています。
「特に相性がいいとは感じていませんが、昨シーズンにホームで戦ったときは、チームのみんなとの信頼関係で同点ゴールを決められました。今回もそういう点を取りたいです。

ベガルタは、中盤やFWの選手のコンビネーションや、ワンタッチプレーがうまいという印象があります。強いチームだと思いますが、今は戦術云々の部分よりも、球際で強くいくことや相手より走ること、セカンドボールを相手より速く拾うという予測の部分など、ちょっとしたことで相手を上回らなければ、試合に勝てないと思っています」

■レッズレディースは、リーグでベガルタに勝ったことがありません。
「次はホームで勝利がほしいですし、勝てばチームの雰囲気もがらりと変わります。ベガルタ戦では、内容よりも勝つことにこだわって、戦う姿勢を見せていきたいです」

■最後に、ファン・サポーターの方々へのメッセージをお願いします。
「ファン・サポーターのみなさんには、毎試合感謝しています。負けた試合でもサポートしてくれますし、勝った試合は一緒に喜んでくれます。そうしたサポーターのみなさんに、自分はFWとして得点という形で恩返ししたいですし、それができればチームも勝つと思います。戦う姿勢に加え、ゴールに向かって積極的にプレーする姿勢を見せていきたいです」

吉良知夏