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Web Little Diamonds vol.21

[レッズジュニアユース、高円宮杯を勝ち取る]
浦和レッズジュニアユースが、高円宮杯第25回全日本ユース(U-15)選手権大会で、8年ぶり2度目の優勝を果たした。



■備わっていた強い精神力
高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権大会では、現在トップチームの山田直輝、原口元気らがジュニアユースに在籍していた2005年に初優勝したが、その後は昨季までベスト8が最高位。レベルの高い関東予選で敗退することも珍しくなかった。

今季は、高円宮杯関東予選を兼ねた関東ユース(U-15)リーグで尻上がりに成績を伸ばし優勝。関東1位で全国大会に臨んだ。
大阪のJグリーン堺をメーン会場に、1回戦からノックアウト方式で行われる大会には、全国から32チームが出場。
レッズジュニアユースは初戦のソレッソ熊本戦こそ3-0と快勝したが、2回戦のカターレ富山戦、準々決勝の横浜F・マリノスジュニアユース追浜戦、準決勝の柏レイソルU-15戦と、3試合連続先制しながら同点にされる苦しい展開だった。
しかし夏以降、厳しいトレーニングを積んで来た選手たちには強い精神力が備わっており、追いつかれても動揺せず、最後には決勝点を挙げ勝ち進んできた。
決勝の大宮アルディージャジュニアユース戦では、前半は大宮に1本しかシュートを打たせず圧倒。1-0で折り返した後半、追加点を挙げ、相手に1失点は許したものの、勝利は譲らなかった。


■悔しさをバネに夏以降、急成長
2013シーズンの浦和レッズジュニアユースは2冠を達成した8年前のチームのように、年間を通じて圧倒的な強さを見せてきたわけではなかった。関東ユースリーグでは6月の時点で9勝1分5敗の4位。夏に行われた第28回日本クラブユース選手権(U-15)では決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)で大宮ジュニアユースに敗れた。
だが、そこから自分たちを見つめ直し、鍛え直した。地域のライバルである大宮に敗れた悔しさも原動力になった。大橋浩司監督は「自分たちのミスから大宮に負けてしまい、選手たちは悔し涙を流した。試合中に涙を流しながらやっている選手もいた。そういう悔しさを感じることができる選手であることが、その後につながる要因だったと思う。このチームはもっとレベルアップすると思った」と全国大会を前に語っていた。

9月に再開した関東ユースリーグでは怒涛の進撃を見せた。鹿島アントラーズジュニアユースに8-0で大勝したのを皮切りに6連勝。1位に躍り出て全日程を終えた。「パスワーク、ボールポゼッションの質が上がり、ミスが非常に少なくなった。守備ではボールに寄せる距離やタイミングを選手個人がしっかりつかみ、ボールを奪えるようになった」(大橋監督)。
関東ユースリーグで証明した、自分たちの成長ぶりを、全国大会でどこまで発揮できるか。それが注目された。


■前半3得点で試合を決める
▽1回戦 3-0(前半3-0) ソレッソ熊本
(12月22日11時・キンチョウスタジアム)
GK 関敦也
DF 河内渉真、橋岡大樹、関慎之介、高橋海翔
MF 川上エド(→シマブクカズヨシ)、浅賀祐太(→小崎魁)、平野正人(→松高遼)、渡辺陽
FW 萩原大智(→町田ジェフリー)、轡田登(→伊藤敦樹)
得点者:渡辺(8分)、浅賀(12分)、萩原(30分)

ソレッソ熊本は熊本市で活動する、幼児から中学生まで270人が所属する地域クラブ。夏の日本クラブユース選手権にも出場し、グループリーグを突破している。
前半8分、河内の縦パスを萩原がDFと競り合いながらマイボールにし、右からクロス。中央で轡田がスルーし、左から詰めた渡辺が鮮やかに先制した。12分に渡辺の左クロスにボランチの浅賀が合わせて2点目。30分には相手ボールを奪った渡辺が相手DFを引き付けて萩原にパス。萩原が落ち着いて蹴り込んだ。
前半3点をリードしたが後半は追加点が取れず、あきらめずに最後まで走った熊本に決定的な場面を作られる時間もあった。しかし要所を締めて初戦を3-0で勝利した。






■相手の高さに苦しむも最後は勝ち越す
▽2回戦 2-1(前半1-0) カターレ富山U-15
(12月23日11時・J-GREEN堺)
GK 関敦也
DF 河内渉真、橋岡大樹、関慎之介、高橋海翔
MF 川上エド(→轡田登)、浅賀祐太、平野正人、渡辺陽(→伊藤敦樹)
FW 萩原大智、シマブクカズヨシ(→町田ジェフリー)
得点者:浅賀(27分)、伊藤敦樹(78分)

カターレ富山は高さがあり、浮き球の処理に慣れていた。前半19分、意表を突くミドルシュートを打たれバーに救われる場面、23分にはFKからヘディングシュートを打たれたがわずかに枠を外れる場面など、ピンチをしのぐと27分、右CKから浅賀が見事にヘッドで先制した。さらに30分、相手の裏へ抜け出しGKと1対1になる萩原大智を倒した富山DFが一発退場で、数的優位に立った。
数的優位に立ったレッズだったが、ロングボールを多用する富山を相手にその優位を
生かせず、後半4分にCKから同点ゴールを決められた。レッズは攻勢を強め、相手ゴールに襲い掛かるが、富山GKのファインセーブもあって、勝ち越せないまま時間が過ぎる。
38分、轡田が中盤でDFに競り勝ち、前線の萩原へ。萩原が相手DFを引き付ける間に、伊藤が左でフリーになり、萩原からのパスをゴールに流し込んだ。






■後半追加タイムに決勝点
▽準々決勝 3-2(前半2-1) 横浜F・マリノスジュニアユース追浜
(12月25日11時・J-GREEN堺)
GK 関敦也
DF 河内渉真、橋岡大樹、関慎之介、高橋海翔(→小崎魁)
MF 川上エド(→シマブクカズヨシ)、松高遼(→知久航介)、平野正人、渡辺陽
FW 萩原大智、轡田登
得点者:川上(1分)、萩原2(27分、82分)

横浜F・マリノスジュニアユース追浜は関東ユース2部リーグに所属していたため、今季レッズとの公式戦での対戦はこれが初。関東リーグ2部では、19勝3敗という圧倒的な強さで来季の1部昇格を決めている。今大会では1回戦で清水エスパルスジュニアユース、2回戦で前年優勝のガンバ大阪ジュニアユースを破って準々決勝に進出した。
序盤はレッズが制した。開始56秒、松高のパスに川上が合わせて簡単に先制。さらに28分、渡辺の左クロスを相手DFがクリアしたところを拾って萩原が2点目を決めた。
しかし、その後のチャンスを生かせないまま、39分にCKから1点を返されて前半を終えると、後半は横浜FM追浜の反撃にあい、14分に同点ゴールとされる。勢いづく相手に押されてピンチをしのぐ時間が続いたが、2分のアディショナルタイムが残り数10秒になったころ、平野の縦パスを受けた渡辺がゴール前で十分にタメを作り左の萩原へ。萩原が実に落ち着いてゴールへ沈め、8年ぶりのベスト4進出を決めた。








■土壇場に追いつかれるも落ち着いて延長制す
▽準決勝 3‐1(前半0‐0/後半1‐1/延長2‐0) 柏レイソルU-15
(12月26日11時・J-GREEN堺)
GK 関敦也
DF 河内渉真、橋岡大樹、関慎之介、小崎魁
MF 川上エド(→伊藤敦樹)、浅賀祐太、平野正人(→松高遼)、渡辺陽
FW 萩原大智、轡田登(→シマブクカズヨシ)
得点者:渡辺2(72分、92分)、萩原(99分)

立ち上がりはミスの少ない柏のボール回しにペースを握られたが、要所では1対1の強さを発揮し、レッズは徐々にリズムを作るようになる。前半は互いにチャンスを生かせず0-0で折り返した。
後半もスコアレスが続いたが、柏のビッグチャンスをGK関が2回にわたってセーブすると、32分、萩原が右サイドをゴール近くまでえぐって折り返し、渡辺がヘディングシュート。これが決まって均衡を破った。その後は落ち着いて時間を使いながら攻めていたが、2分のアディショナルタイムが残り1分を切ったころ、柏のロングボールがレッズゴール前に上がり、走り込んだ柏FWと、GK関が交錯。これがPKとなり、勝利目前で同点に追いつかれた。
しかしレッズは延長に入っても自分たちのペースを崩さず、延長後半3分、再び萩原のパスから渡辺が決めて勝ち越し。さらに9分、反撃に来る柏のディフェンスラインの裏へ抜け出した萩原が相手GKをかわして、決定的な3点目を決めた。








■内容でほぼ圧倒、ダービー制して全国優勝
▽決勝 2-1(前半1-0) 大宮アルディージャジュニアユース
(12月28日13時・J-GREEN堺)
GK 関敦也
DF 河内渉真、橋岡大樹、関慎之介、小崎魁 
MF 川上エド(→シマブクカズヨシ)、浅賀祐太、平野正人(→松高遼)、渡辺陽
FW 轡田登(→伊藤敦樹)、萩原大智
得点者:萩原(13分)、渡辺(51分)

さいたまダービーとなった決勝。大宮アルディージャジュニアユースは本大会の前年準優勝チームでもある。
試合は、立ち上がりからレッズがリズムをつかみ、13分、河内の右クロスを相手ゴール前でつなぎ、最後は渡辺のシュートがGKに当たってこぼれたところを萩原が蹴り込んだ。萩原は通算5得点目(大会得点王)。
前半、大宮のシュートは1本。攻め込まれても要所ではね返し、完全なレッズペースで後半を迎えた。
後半11分、相手のロングボールを小崎がヘディングでクリア。浅賀がつなぎ、左サイドで受けた渡辺が短いドリブルの後、ゴールニアサイドに見事なシュートを突き刺した。
17分、反撃の姿勢を強める大宮に1点を返されたが、動じることなく自分たちのサッカーを続け、そのまま2-1で勝ちを収めた。夏のクラブユース選手権の雪辱を、全国優勝というこれ以上ない形で果たした。
表彰式の後、サポーターから赤白黒の折鶴でできた王冠が選手全員にプレゼントされ、優勝の喜びをいっそう盛り上げた。










■1試合ごとに自信がついてきた
キャプテン・河内渉真
「日本一になることを3年間目標にしてきたのですごくうれしいです。どの試合がポイントというよりも、みんなの1試合に対する気持ちが強くて、それが出せたと思います。決勝の相手、大宮は足もとの技術が高いし、組織的なボール回しも上手なので、難しい相手でしたが、みんなうまく対応できていました。
1試合ずつ勝ち進んでいくことで、チームの雰囲気も良くなり、自信がついてきました。自分はキャプテンとしてチームを引っ張れたかわかりません。自分が苦しいときにみんなが支えてくれたからこそ、最後まで来ることができたと思います」

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