Join
ONLINE MAGAZINE/REDS VOICE
2007. 2.28 Vol.59
VOICE INDEX
「Talk on Together2007」を開催
第2部へ
「Talk on Together 2007 〜第1部〜」
▼進行:日本経済新聞 運動部 吉田誠一氏
▼出席者:藤口光紀代表 中村修三GM


PHOTO吉田氏:さっそくですが、浦和レッズは今シーズンをディフェンディングチャンピオンとして迎えます。 藤口社長から今シーズンの豊富をお願いできますか。

藤口代表:こんばんは。日頃から熱きサポートありがとうございます。 今年は新たな年としてJリーグチャンピオンとして世界に出ていこうという年だと思っています。もちろん勝負の世界、勝つことは非常に厳しいと思っています。一度勝つことは出来てもそれを続けることが本当に強いチーム。だからJリーグを連覇すること。それが強さの証になります。Jリーグを連覇してその上でアジアに出て行って、アジアのナンバーワンになって12月のクラブワールドカップに出場したい。それがチームとしての今年の強い希望であり目標であります。

吉田氏:先日のゼロックススーパーカップ。見事な負けっぷりでした。中村GMはあの敗戦をどのようにとらえていますか。

中村GM:みなさん、こんばんは。ゼロックス、コテンパンにやられてすいませんでした。報道でしか知りませんが、ガンバはレッズに絶対勝つぞという意気込みでゼロックスに照準を合わせてきたようです。
我々の方もゼロックスに勝たなければいけなかったのですが、照準はあくまで開幕に合わせているのでその差は大きかったのかなと思います。特にモチベーションに非常に違いがあったかなということは感じています。

吉田氏:心配することはないということですか。

中村GM:そうですね。私たちはJリーグに向けて1年間のスパンで戦うことを考えていますので、その中の1試合と捉えています。しっかり開幕に合わせていきたいです。

PHOTO吉田氏:さて、埼玉スタジアムの話ですが、まだゴール裏に屋根がついていないなど不備もあります。スタジアムをどのように改善していきますか。

藤口代表:埼玉スタジアムは県営スタジアムです。ホームスタジアムとして世界一のスタジアムにしようとスタジアムや県の関係者と話しています。世界一といってもキャパが世界一だったり内容が世界一だったりといろいろな世界一があると思います。埼玉スタジアムを世界一のスタジアムにすることは可能だと考えています。それがハード面なのか、ホスピタリティなのか、63,000人入ったときのあの雰囲気なのか。いろいろあると思います。またゴール裏の屋根の話ですが、ハード面では非常に重要な問題だと思っています。県に見積もりを聞いたところ両方のゴール裏に屋根をつけたら両方あわせて約34億円で、だから今は財政的に出来ないよとそっけなく言われています。それをまともに聞いていたらできないわけで、じゃぁ片方だけならどうなんだと。
でも片方だけだから17億という話にはならないと思うんです。20億とか25億になるかもしれないし、でも工夫によっては10億や15億で出来ると思いますし。いまレッズとして独自に考えてもらっているところです。
県はスタジアムを作った鹿島に出しているわけですけども、別のところに違った発想で屋根ができないかということで、いまデザインは来ていますが数字が出ていないのでいくらということは言えないのですが。たとえば5億だったらクラブだって1年、2年、3年かけてやればできるだろうと考えています。
工期の話が一番大きな問題で、県からは工事の期間は2年かかりスタンドも使えませんと言われています。それは、とんでもない話で、そんなことならできないし、工期を短縮しつつスタジアムを使いながら出来なければと思っています。これはかなり難問ですが、今年中にめどを立てたいと思っています。
クラブワールドカップの出場とともに何かアドバルーンを上げられればと思っています。

吉田氏:いつも売れ残る席は決まっていると。SA席ですか。その辺のサービスの問題を考えてらっしゃるということですが。

藤口代表:座席は非常に大きな問題です。昨年最終戦で62,241人、たくさんの人に入ってもらいました。年間でずっと見させていただきましたが、SA席のメーンの上とかが残念ながら空いています。それは価格と環境にギャップがあるのではないかと。おととしクラブに来たときから話をしていて、今年変えられればよかったんですけど、調査が行き届かなくて今年は昨年と同じ席割りでやらせてもらっています。
来年に向けていろいろ考え方を変えていきたいなと思っています。SAのアッパーに限っては場内FMでラジオを持ってくればそこで臨場感を音など別の形で味わうことが出来る方法を考えています。ことしはハードではなくソフト面でサービスを提供させていただければと思っています。

吉田氏:今回オジェック監督にかわりました。補強はジェフから阿部選手をとりました。これらの狙いとどのようなサッカーをめざしているかお話していただけますか。

中村GM:ギド監督には3年間非常にすばらしい結果を残してもらいましたが、プライベートの問題でああいう形で去られました。社長とも何時間も話したんですが、まず世界を知っていること、ブランドやカリスマがある人、浦和を知っているということからオジェックでいこうと決めました。

吉田氏:今年の監督に期待するものは何ですか。

PHOTO中村GM:ギドの時も魅力あるサッカーをやろう。2点取られても3点取ろう。3点取られたら4点取ろう。とお客さんに喜んでもらうサッカーをやろうとスタートしました。ただ2年続けて2位と来て3年目、やはりわれわれも含めてみんなが絶対優勝だということで徐々にに質よりも結果という部分に力が入っていきました。
内容はあまり伴わなかったかもしれませんが、結果優勝できてそれはそれでよかったと思います。 しかしこれからは勝つだけでなく質も問われると思います。内容も求められると思います。 面白い内容で勝つということでワンランク上のサッカーをするということでオジェックにしました。 オジェックともそういう話はしていますし、まだまだ出てないですけど、そういうトレーニングをしていて、試合によってはすごく面白い内容でやれているときもあるので期待していただきたいと思います。

吉田氏:社長はどんなふうなことを監督に望んでいますか。

藤口代表:簡単に言うと個の力をグループにすることでチーム力を2倍、3倍にしていきたい。それはオジェック監督と同じ考えです。

吉田氏:監督の人間性はどうですか。以前と変わった部分はありますか。

藤口代表:私が以前Jリーグにいたときも何回か会って、レッズに対する情熱を「そうか今でも持っているのか」と。3年前も4年前も「レッズに対する情熱を持っているな」ということを感じました。
今回再び会って少し丸くなったというか、人間的に大きくなったのではないかと思います。以前はすぐにカーッと怒る激情家だったと思うんですが、やはりそこは11年たっていますから成長したのかなと。

中村GM:ぼくは当時、広報を担当していましたがオジェックさんとはよくケンカをしてやりあっていた記憶があるんです。今回会って丸くなった気がします。よく相談に乗ってくれて答えをくれたりします。前とは違います。

吉田氏:阿部選手の獲得の狙いは?。

中村GM:阿部選手に関しては私が説明するまでもなくみなさんも良くご存知だと思います。いろんなことで期待しています。FKの精度、蹴るだけでなく、CKから中に入ったときの得点力もありますし、守備もそうですし展開力もそうです。しかも試合のときにスペースを埋める動きとか自分が思っている以上の動きをしてくれているのでチームにとってプラスになるのは間違いないです。

吉田氏:まだ遠慮している部分はありませんか。

中村GM:キャンプなどを見る分には、もうレッズの一員となっていますが、どうでしょう、まだそういう部分が残っているかもしれませんね。私はあまり感じていませんけど。

吉田氏:レッズはアジアから世界へという戦いをしていきます。
ホームアンド アウェー方式ですが、海外での活動のプランをお願いします。

藤口代表:AFCチャンピオンズリーグは我々にとって初めての大会です。レッズの中でも海外で試合を経験しているのは代表選手ぐらいで、ほとんどの選手がアウェーは初めての大会になると思います。アウェーを知ってるか知らないかは非常に重要な問題なので体で体感するという意味でブルズカップに出場し長旅などを経験しました。実際選手たちもきついなと感じたと思います。
ただ試合をして帰ってくるということだけでなく、サポーターのみなさんにも中国だったりインドネシアだったりオーストラリアだったりで交流をしてもらいたいし、また彼らが来るときにも受け入れてもらいたいと思います。そうした国際交流の経験を自然にしてほしい。
今年はハートフルクラブの活動を上海とインドネシアでやります。現地の大使館を通じて日本人学校や現地の子供たちとハートフル活動の交流をしていきたい。それが日中親善などにつながっていけばいいと思います。

吉田氏:ACLでアウェーの試合を観戦する場合、どうやってチケットを買ったらいいのかなど何か現時点で話すことができるものはありますか。

藤口代表:アジアの大会って、レギュレーションがあるけどなかなか決まらないというのがあります。実は26日、27日にマレーシアでACLのセミナーが開かれていて、クラブの運営と強化から一人ずつ行っています。たとえばレッズのほうではホームでこういう受け入れをします。チケットはこうです。ホテルはこうです。交通機関はこうです。と、プレゼンをすることになっています。受け入れる側もそうしてくるはずなので、そうするとAFCの方からそのスタジアムでは出来ませんとか会場が変わる可能性もあるんです。
まぁジャカルタまでにはならないと思うんですが、その情報は今日か明日入ってくると思います。みなさんには行って欲しいのですが会場も決まらない中ではなかなかチャーターも出来ないということで、みなさんが行きにくいところはできるだけチャーターを確保することを考えていますし、アウェーのチケットについてもAFCを通じるのか代理店をいれるかして確保したいと思います。

吉田氏:今年は選手を30名に絞り、そのほかにレンタルで若い選手を修行に出しているようですが、この判断に至った考えをGMからお話ください。

中村GM:人数についてはこの人数がいいというのは特にないのですが、戦える選手が何人いるかというのが大事だと思っています。今は2チーム分戦える選手がいると思っているので、それ以外でどう成長させるかというのを考えた結果、例えば愛媛に何人か出しましたけど、試合に出られないと意味がないので、愛媛さんと話もさせていただいて大山や近藤を出した経緯があります。きっと試合に出て一年後に帰ってきてくれると思います。
もう一点は、ユースのチームは特に2年生に有望な選手がいるので鍛えて底上げする。サテライトの選任の監督を置いてサテライトとユースのトレーニングを積極的にやっていく。またサテライトの試合にも積極的に使っていくという2本立てで強化していこうと考えました。

吉田氏:育成の部分というのはもう一度考え直したということですか。

中村GM:僕は2002年から強化の責任者になって育成に力を入れようと思ったんですね。なかなか結果は出ていないんですが、今でも最も力を入れなければいけないのは育成だと思っているので、さらに強化していきたいと思います。

PHOTO吉田氏:レッズにはレディースもあるわけですが今年のレディースの取り組みはいかがですか。

中村GM:そうですね。まずレディースは4月28日に開幕を迎えますので多くの方にご来場いただければと思います。昨シーズンはリーグが2位、全日本選手権も準決勝までいきましたがPKで負けてしまいました。国体も2位だったんですね。優勝まで手の届くところにいながら手が届かなかったので、今年は絶対優勝したいとみんな気持ちをそこに向けて頑張っています。ただ同じメンバーでは厳しい部分もあるので、まだ発表していませんが、うちには今、山郷と安藤と柳田の3人がなでしこジャパンに入っているんですが、もう一人、なでしこジャパンの選手が入ります。さらに各チームの主力級のメンバーが3人入ってくるので優勝できる陣営が出来たと思います。

吉田氏:経営の問題なんですが、第三者割当増資を考えていらっしゃるということで代表はどのように考えてらっしゃるのでしょうか。

藤口代表:その関係は先代の大社長がかなり声を高らかにして三菱自動車とやりあいまして、「出来なかった。おまえやれ」といって去っていったんですが、考え方として、市民クラブとしてわれわれはやっていく訳で、ひとつの会社におんぶにだっこということではどうかと思います。やはり自立の道を歩むべきだということで進めてきたわけですけど、先日のガンバ戦のように真ん中からごり押しをしてしまっても跳ね返されてしまうというが事もあるように、感情的になってしまった後、なんとか感情をほぐして、もう一度話し合いましょうということになりました。三菱自動車は10何年もサポートしてきた中で、レッズの価値があがってしまって離したくないという気持ちになっているのだと思います。
我々としては少なくとも三菱自動車の保有率が今50数%ありますけども、これが30数%くらいになって、残りを地元の企業にも持ってもらうことが理想だと話しています。ただ、Jクラブとしてどういう形が一番いい形なのか。一企業が50数%持っていてもある程度クラブの意向で運営できればそれもおかしくないのではないかなどいろいろ検討しています。一番理想のJクラブのあり方はどうなんだろうという事をあわせて検討しているところです。
ただもう申し入れをしています。過半数持っているのを3割ぐらいにして欲しいとすでに話しているところです。それを解決できるかはこれからの問題なので鋭意努力します。

吉田氏:増資自体はしたいわけですか。

藤口代表:増資も含めてです。年間の売り上げが60億から70億ある中で1億6000万というのは非常に不安定だと思います。そうでなくとも今回も阿部で4億円ということにもなりますし、何かとお金がかかりますから。何かあった時には自分たちで持っていないと倒れてしまうと思うので少なくとも5億6億あってもいいと思っています。

吉田氏:レッズランドが仮オープンして1年半。その後どういう状況にあってどうやって大きくしていくのか。というのを教えて下さい。

藤口代表:レッズとしてJクラブとしてああいうものを持ってやっていきたいという気持ちがありますし、あの大きなスペースがあるから、よしやってみようと理念先行型でやってみたのですが、1年半たって徐々に整備がされています。ただみなさんに理解していただきたいのはディズニーランドとは違うということです。30億40億かけて設備を作って会員を集めてやりましょうということではないのです。今は広大なスペースがあります。そこを参加してもらっている人たちと一緒になって一年一年出来ることからやっていきましょう。10年後20年後にああこれがレッズランドなんだと思えればいいなと。
要するに手作りなんです。今、日本は広場があるとビルを建てたがる。ものを建てたがる。でも建てない勇気が必要なんじゃないか。今一番子供たちに必要なものは広場なんです。
ものを建てない、子供たちが元気でその中で遊べるようなものが必要なんです。先般、あそこにある雑木林の中でボールを蹴っている子がいました。ある指導者が見て危ないから静止しようとしていたんです。でもちょっと待てと。あの自然の中でボールを蹴るのがいいんだ。多少の怪我をするかもしれないけど、子供たちはああいう中でアジリティとかバランスを覚えていくんだと。そういうのを残してある程度整備して、そのあとに水周りや汗をかいたときに味わえる爽快感のあるロッカーとかを整備していかなければならないと思います。
10年後になるのか20年後になるのかわからないけれども「ああレッズランドだ」と思ってくれればいいと思っています。

吉田氏:ファンのみなさんはもっと選手にファンサービスをしてもらいたいようですが。

中村GM:まぁそれは当然のことなんで日ごろから選手には大原に来られるファンにサインをするようにと言っているんですが、なかなか人が多かったりして書かない選手がいるので、今年は選手に説明して、文書でサインをすることというのを、文書で誓約書ではないですが、渡しました。すべてうまくいくとは思いませんけど100%できるように渡しました。

吉田氏:サイン以外は何か書いてあるんですか。

中村GM:サインだけではないですが、それ以外はちょっといえません。 一番大事なのはサインです。

PHOTO藤口代表:サインについてはレッズウェーブの河合貴子さんを通じて投げかけたんですが、選手は基本的にサインを求められたらするんですけど、選手とファン・サポーターとのコミュニケーションツールはサインだけなのかなと。もっと声を掛け合うコミュニケーションや会話できるようなコミュニケーションがあるんじゃないかと。クラブとしてももっともっとみなさまに喜んでいただけるようなファンサービスを出来ればと思います。
オジェック監督になって試合前はだめだという話もあるんですが、レッズとしてはもうそんなクラブではないと。もうこんな成長してるんだと、話し合いながら変えていければいいかなと思っています。

吉田氏:監督はどうやりたいと言っていますか。

藤口代表:いや、おれがやりたいようにやるんだと。いや、でもオジェック監督はだいぶ変わりましたよ。ですからメディアに対しても試合前日の取材はだめだということを言っていましたけど、今はミックスゾーンでの取材はいいということになってますし。

吉田氏:きょうメディアの方はたくさんきてますけど、取材については大丈夫だと言い切れますね。

藤口代表:大丈夫です。

吉田氏:情報発信についてマッチデープログラムも増ページするなどしていますが新しい試みをいくつか。

藤口代表:浦和レッズはここ4、5年でかなり規模が大きくなっています。その中で働いている人はそんなに変わっていません。そういう点ではクラブの体制強化がここ一連の急務だと考えています。このままだとみんなおかしくなってしまう。クラブスタッフの職場の環境改善というものもしなければならないと考えています。
それから情報発信という点では、クラブ経営も情報開示していますがさらにもっと知ってもらいたい。そのためマッチデープログラムは32ページから48ページにしました。そのため200円が300円になってしまうのですがそれをご理解いただいて、さらに内容は濃くしてクラブ情報の拡大、魅力の伝播という点では自信を持って送り出せるものです。内容は1.7倍くらいになっています。
ほかにもウェブサイトのところでもこれからホームページを改善しレッズTVと統合してやっていくというか素直にレッズの中に入って来られるようになっていけばいいかなと思います。
あとタブロイド版でも朝日新聞さんの協力を得まして、3月から試合の前日発行なんですが、カラーで4ページです。県内の朝日新聞に折込として1回60万部年計25回。レッズ・トゥモローという名前で発行します。

吉田氏:これは日経ではなくて朝日なんですね。(笑) 最後にこのタイトルはとるぞという宣言というか意気込みを中村さんからお願いします。

中村GM:当然リーグ2連覇は狙っていかなきゃいけないと思いますし、初めてでるACLの予選突破はマストだと思っています。

吉田氏:クラブワールドカップ出場まで。

中村GM:出場まで・・・。

吉田氏:
力強くないですね。

中村GM:
まずは予選突破しないと。

藤口代表:
なんかこの間の試合で自信がなくjなっちゃったみたい。

吉田氏:とりあえず力強い言葉は2部のオジェック監督にまかせましょう。今日はありがとうございました。
第2部へ
parts

Copyright (C) 2007.URAWA RED DIAMONDS